米ドル安で上昇する商品目立つ
- MRA商品市場レポート
2024年6月20日 第2741号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米ドル安で上昇する商品目立つ」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は米国市場が休場だったため様子見気分が強かったが、一昨日の米小売売上高を受けたドル安進行が総じてドル建て商品価格を押し上げる形となった。
市場の関心は米国の景気そのものヘの注目が高いが、ここに来て政治的な動きに対する関心も高まっている。
欧州は欧州議会選を契機にフランスが選挙に舵を切り、このままだとマクロン大統領が率いる与党が敗北、極右(という言い方が正しいのか最早怪しいが)政党が伸張した場合、同国が極端に保守に走る可能性は否定できない。
ただ、ルペン率いる国民連合は減税を打ち出し、移民は合法も違法も取り締まる方針のようだ。消費の増加と労働力の減少がインフレ圧力を高めよう。
米国もバイデン大統領の人気がなく、有罪判決を受けてもトランプ前大統領の方が支持率が高い状況で、既にアメリカ・ファーストを公言している。やはり減税と移民排斥を訴えている(ただ不法移民が対象)。トランプ前大統領が復権すれば、やはりインフレ圧力が強まることになりそうだ。
また英国も総選挙が行われるが、与党保守党と最大野党労働党のマニフェストに正直大きな差がないが、特徴的なのが保守党は2030年までに年170億ポンドの減税を打ち出している点と、移民の移送継続点。野党労働党はいずれも反対している。こちらもスナクが勝利するならば、インフレ圧力は高まるのではないか。
これまで、リベラルと言われる勢力はむしろ大きな政府を標榜するのが普通で、保守は一般的な解釈では経済自由主義であるが、いずれも大きな政府を標榜しており、保守勢力が勝利するとむしろ財政拡張でインフレ懸念が高まる可能性が有り得る。
今回の世界の政治的な流れは「インフレによって発生した貧富の格差」が引き起こしたが、保守勢力が勝利した場合さらにインフレが加速し、更に先々、為政者が交代する可能性はあろう。
先進国であれば暴動は起きないだろうが、これが進行諸国に波及した場合、暴動に繋がる可能性は否定できない。
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