弱い米東経を受けた緩和期待・ドル安・株高で上昇
- MRA商品市場レポート
2024年6月19日 第2740号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「弱い米東経を受けた緩和期待・ドル安・株高で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は総じて堅調な推移となった。ISMやPMIなどは強弱まちまちな内容のものが多いが、昨日の米小売売上高が減速したことで、最大経済国である米国の消費が減速、それに伴い利下げ実施への期待が高まり、長期金利が低下、株高、ドル安となったことが材料になった。
景気が減速する可能性を示唆する統計を受けての上昇であるため、需給要因というよりはファイナンシャルな面での価格上昇とみるべきだろう。
昨日発表の米小売売上高は、総合指数が前月比+0.1%(市場予想+0.3%、前月▲0.2%)、除く自動車が▲0.1%(+0.2%、▲0.1%)、除く自動車ガソリンが+0.1%(+0.4%、▲0.5%)と市場予想を下回った。また、前月までの過去2ヵ月分も下方修正されている。
金利はより企業側に影響を及ぼし、個人消費は金利の影響を受け難いとされているが、米回転信用は記録的な水準まで上昇、消費者は貯蓄を取り崩しながら消費をしている状況。結果、これまでとは異なりかなり金利は消費者の消費行動に影響を及ぼしていると考えられる。
実際、米石油製品の出荷はこの数週間回復しているが、これはドライブシーズンに入るところで石油製品価格が下落した価格下落効果によるところが小さくないと見る。
しかし、ここで緩和期待が高まり、ドル安や株高が進行する中では更にコモディティセクターが物色され、コストプッシュ型のインフレ圧力を強める可能性もある(スタグフレーションに似た状況に)。
基本、年後半に向けて成長ペースが鈍化し、景気循環系商品を中心に調整するという見方で問題ないと思われるが予期せぬ緩和期待による上昇、それに伴う需要の減速というシナリオもリスクシナリオとしては想定して置く必要があろう。
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