CONTENTSコンテンツ

エネルギー上昇・金属下落
  • MRA商品市場レポート

2024年6月18日 第2739号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「エネルギー上昇・金属下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は景気循環系商品ではエネルギーが物色され、工業金属セクターが軟調な推移となった。

いずれの商品もこれまでテクニカルな売買が価格動向を決定していたが、昨日は発表された米統計(ニューヨーク連銀指数)がやや強気な内容となる一方、中国の統計は回復してはいるものの市場予想が期待するほどの回復感ではなかった(詳しくは昨日のトピックスをご参照ください)ことから、この差が出た、という印象。

景気の先行きは恐らく成長ペースの鈍化があるものの、マイナス成長はなく年後半から回復に向かうというのが市場のメインシナリオではある。

ただし、高金利政策が継続する中では特に米国でも商業用不動産関連企業の借換負担が重くなる(比較的長い、5年~7年ていどの満期の借り入れを行っているため、乗り換え時に金利水準が上昇する可能性がある)。

例えば米5年債利回りは2019年の水準は2%であり、足下は4.3%で2%以上水準が切り上がることになる。米不動産情報会社レトップの集計では、2023年~2027年に満期が到来するローンは2.75兆ドル、年間5,500億ドルと推計される。金利要因だけで110億ドルのコスト負担となる。

もちろん体力があるところは問題がないが、体力がない企業は借り入れが困難になり破綻も有り得る。問題はこれらの商業用不動産会社の主な貸手は体力の乏しい中小金融機関である点だ。

商業用不動産価値の下落や中小金融機関の破綻は一番警戒しなければならない、信用リスクの伝播をもたらす。

軟着陸→回復、が市場が期待するメインシナリオではあるもののまだその通り、楽観できる状態にはない、そのリスクが存在する点はまだ忘れてはいけないのではないか。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
【MRA商品市場レポート】について