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PPI減速もドル高進行で軟調~発電燃料高い
  • MRA商品市場レポート

2024年6月14日 第2737号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「PPI減速もドル高進行で軟調~発電燃料高い」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はその他農産品と発電燃料価格が上昇したが、その他の景気循環系商品、金属セクターは軒並み水準を切り下げる動きとなった。

注目の米PPIは総合指数が前月比▲0.2%(市場予想+0.1%、前月+0.5%)、前年比+2.2%(+2.5%、+2.3%)、コア指数が前月比±0.0%(+0.3%、+0.5%)、前年比+2.2%(+2.5%、+2.3%)と、ディスインフレを意識させる内容となった。

先月はCPIが強く、PPIも強かったため米金融緩和期待が後退したが、今月は逆の結果となった。米金融緩和期待派からすれば朗報となる統計だったといえる。

しかし、前日のFOMCでパウエル議長は「1ヵ月の統計を以て金融政策を判断しない」と明確に発言しているため昨日の反応はそれでもドル高となった(どちらかと言えばユーロの選挙を巡る不安の方がドル高に寄与したか)。

FF金利先物ベースで見た場合、市場参加者は11月・12月に連続利下げが行われると予想している。FedWatchベースだと、11月利下げの可能性が49.2%(前日50.8%)と低下、▲50bp利下げ期待が29.4%(24.7%)と上昇した。

12月利下げは、11月・12月連続か12月単体で▲50bp利下げが45.3%(43.2%)、▲75bp利下げが24.3%(18.0%)となっている。

直近統計を受けて多いところでは年内4回の利下げを想定しているハウスも出てきた。

引き続き統計を睨んだライブのFOMCが続くことになるが、弊社としては「金利を高止まりさせ、その後景気の減速を受けて利下げを行う時、いろいろなリスクが顕在化する」可能性を指摘している。

利下げは景気が減速している局面で行われるため、そのタイミングを誤ると高金利を背景とするショック(例えば商業用不動産など)が発生することがあるからだ。

引き続き、物価関連・雇用関連統計には注目せざるを得ない。


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