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CPIとFOMCを受けて乱高下
  • MRA商品市場レポート

2024年6月13日 第2736号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「CPIとFOMCを受けて乱高下」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は総じて水準を切り上げる商品が目立った。

注目の米消費者物価指数は、前月比±0.0%(市場予想+0.1%、前月+0.3%)、前年比+3.3%(+3.4%、+3.4%)、コア指数が前月比+0.2%(+0.3%、+0.3%)、前年比+3.4%(+3.5%、+3.6%)と市場予想を下回り、物価安定ヘの期待感が高まったこと、それに伴う利下げ観測(景気刺激ではなく、金融政策正常化としての利下げ)が台頭したことがドル安を通じて多くの商品価格を押し上げた。

しかし、FOMCが想定よりもタカ派な内容であり、パウエル議長も「今回1回のCPIを受けて方針は変えない」と発言、更に中長期の政策金利見通しも2.75%に引き上げており、コメントでも「もうコロナ禍前の水準には金利は戻らないと考え始めた」と、中立金利の水準引き上げも意識させるような内容だった。

これを受けて再びリスク資産価格は急落しているが、商品によっては時間的にこれを織り込めずに引けている(LME金属など)ものも。

結局、FRB自身も先行きが明確に見通せないため、会合は全てライブにならざるを得ない。そもそも6月のFOMCは利下げはなく、サプライズなし、というのが2週間ほど前の市場の評価だった訳だが、そうならなかった。

結局、コロナ以降の世界的な大規模量的緩和により、金利を上げたとしても経済活動ヘの影響が低下してきている、と考えられる。当面、FRBは非常に難しい舵取りを要求されることになろう。


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