エネルギー上昇・鉱物資源下落
- MRA商品市場レポート
2024年6月12日 第2735号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「エネルギー上昇・鉱物資源下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は発電燃料やその他農産品、エネルギーセクター全般が物色されたが、貴金属を含む鉱物資源価格は総じて軟調な推移となった。
米国の金融緩和やそれに伴うドル安進行を材料に、投資銀行はこの四半期の鉱物資源高にBetするスタンスだったが、米国の利下げが怪しくなり、中国の統計も発表される度に同国の国内景気が良好ではなく、輸出による外需頼みの回復になっていることが確認されているため、6月末を意識した利益確定の動きが強まっていると考えられる。
ただし、非鉄金属に関しては第一弾の利益確定の動きは終了したと見られる(詳しくはLME非鉄金属のコラムを参照ください)ことから、更なる下落にはもう一材料必要、という感じだろうか。
この他、商品市況に直接影響を及ぼすものではないが、欧州議会選挙で仏マクロン大統領率いる与党が惨敗、ルペン党首が率いる極右国民連合が議席を伸ばし、マクロン大統領辞任の可能性も取り沙汰された(本人はこれを否定)。
移民が増加し、国民の不満が増す中である意味保守である極右政党が議席を伸ばすのは不思議ではないが、それ以上に、インフレや年金の支払い開始年齢を引き上げたことが与党離れの背景にあると考えられる。
これは正直どこの国でも同じで、極右を支持しているというよりもインフレを背景に現政権への不満が高まっていると考えられ、米国や日本でも同様な流れが起きつつある。
政治家は、デフレ(になっている国は少ないが)には敏感ではないが、インフレに対しては敏感、とされるのはこうした国民生活に直結するから(対応しないと選挙に負ける)と考えられる。今後、多くの国でインフレ対策が再び加速することになるのではないか。
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