雇用統計後の買い戻しで上昇
- MRA商品市場レポート
2024年6月11日 第2734号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「雇用統計後の買い戻しで上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は総じて堅調な推移となった。先週末のサプライズ雇用統計を受けてリスク資産価格が大幅に調整した前営業日の動きの反動で、FOMCとCPI発表を控えていったん買い戻しが入ったため。
この数週間非常に多いのだが、景気循環系商品が物色されると反対で非景気循環系商品(ソフトコモディティなど)が売られることが多い。このことは市場参加者の注目がまさに景気そのものに移っていることを示唆している。
ただ、週末発表の米雇用統計は良い内容とも悪い内容とも一概にはいえない。事業所調査(14.4万社を対象)による雇用者数はサービス業を中心に+27.2万人の増加となり、雇用市場が再加熱していることを示唆、また、時間あたり賃金も前月比+0.4%(市場予想 +0.3%、前月+0.2%)と加速、前年比も+4.1%(+3.9%、+4.0%)と加速した。
しかし、家計調査(6万世帯を対象とするサンプル調査。予算の都合で来年から5万5,000世帯に減らす予定)は就業者が前月比▲40.8万人と大幅となっている。また、より良い条件を求めて職を離れる自発的離職率も2.2%と2020年9月の2.1%に次ぐ低水準となっており、より雇用環境が厳しくなっていることを示唆している。
雇用統計では、事業所調査が雇用者数や賃金データを集計し、家計調査は失業率を算出するために行われているが、上記の通りサンプル数が大きく異なり、家計調査は足下の移民の増加を十分反映できていない可能性がある。今後、失業率や雇用者数の変化に関して、不一致となるケースは増えるだろう。
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