米雇用関連統計減速で景気循環系商品下落続く
- MRA商品市場レポート
2024年6月5日 第2730号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米雇用関連統計減速で景気循環系商品下落続く」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、米JOLT求人の減速を受けてドルが安値圏で推移、ソフトコモディティなどが物色されたが、景気循環系商品は総じて水準を切り下げる形となった。
足下、米国の景況感に市場参加者の注目は集まっており、その中で労働需給の緩和を示唆する統計が発表された影響は小さくなかった。弊社が重視している「求人・失業レシオ」は1.24倍(前月1.30倍)と低下、コア物価指数の低下に繋がる。
ただしこの水準でも説明可能なコアCPIは3.50%~3.75%程度であり、引き続き米FRBは高金利政策を維持しなければならないことを示唆している。結果、リスク資産価格には下押し圧力がかかることになり、株の下落やそれに伴うその他リスク資産価格の下落圧力も強まることが予想される。
しかし市場は米FRBの利下げを織り込み始めており、9月の利下げ確率は55.3%(前日51.3%)、11月が48.3%(48.0%)となっている。市場は来年1月までに2回の利下げを織り込み始めたようだ。
とはいえ、製造業PMIは改善しているなど、米国の統計が強弱まちまちであることも間違い無く、引き続き雇用関連統計、フォワードルッキングな指標の重要性は高い。
なお、インド総選挙の結果、与党BJPが大幅に議席を落とした。過半数は維持しているため大きな変化はないが、モディ政権もインフレや貧困層対策により力を入れる必要が出るため、若干の政策方針変更があると予想される。
しかし、国全体の成長・富国化が国民全体にプラスであるため、大きな方針に変化はなく成長見通しも想定通りになるのではないか。
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