米ISM製造業指数悪化で軟調
- MRA商品市場レポート
2024年6月4日 第2729号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米ISM製造業指数悪化で軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、ドル安進行の影響で景気に影響を受け難いその他農産品や畜産品、米国景気の影響を直接受け難く投機の対象とされている銅やアルミなどが上昇、また、欧州のガス供給障害と猛暑観測を受けて発電燃料が総じて堅調な推移となった。
一方、原油を始めとする景気循環系商品は総じて軟調。米国時間に発表されたISM製造業指数は、やや改善が見込まれていたが、48.7(市場予想49.5、前月49.2)と減速、同国の景気の先行き懸念が強まったことが需要減少観測を強めた形(続きは有料レポートの「本日の見通し」を参照ください)。
なお、昨日発表された各国の製造業PMI改定値は、日本と欧州が横這い~悪化となったが、米国は上方修正されている。米国に関してはPMIとISMが調査主体が異なるため異なった結果になっている。
ISMは概ね300以上の企業にヒアリング、PMIは400以上の企業にヒアリングしており、PMIは民間企業のみにヒアリングしている、などの違いがあるが通常これらの統計の乖離は一時的であり「趨勢」は同じ、という解釈になる。
しかし現状はPMIが50を上回り、ISMが50を下回っている状況で、かつ、現在は景況感がどうか?が最も市場で重視されているため、今回のISM製造業指数に加えてISM非製造業指数などの追加的なデータの発表を待つ必要がある。
ただし、やはり世界景気は年後半にかけて減速し、その後回復という市場コンセンサスが今のところメインシナリオとなりそうであり、多くの商品価格がこの景気見通しに沿った動きになりやすい。
本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
【MRA商品市場レポート】について