景気循環系商品ドル高景気に売られる
- MRA商品市場レポート
2024年5月23日 第2721号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「景気循環系商品ドル高景気に売られる」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、これまで商品セクターの価格上昇をけん引していた非鉄金属、貴金属セクターに利益確定の売りが入り、エネルギー価格も米ISM製造業指数の悪化以降、調整を続けてきたが昨日のFOMC議事録を受けたドル高進行が価格を下押しした。
FOMC議事録は過去の議事録であり、その後の米統計の減速を受けてFOMCメンバーがコメント内容を変化させてきていたことからさほど材料視されないと見ていたのだが、ややタカ派な内容であることを確認する中でドル高が進行した。
時間的に織り込めなかったが、非鉄金属などはこれまでの価格上昇が投機主導のややファイナンシャルな要因による価格上昇だったことから、このドル高はいろいろな鉱物資源価格の調整売り圧力になると予想される。
それと逆に昨日大きく上昇したのが発電燃料。そろそろ夏場の予報が出始めているが、日本はラニーニャ現象発生によって昨年を上回る猛暑となる見通しが示され、欧州もドイツや英国で風力発電の実績が低下している。
現在目の前にある材料のみを総合すると、発電燃料価格が夏場に向けて上昇するリスクは高まっていると言える。結果、景気減速の中で発電・ガスコストの上昇が懸念され、景気にマイナスに作用するリスクを考慮する必要がある。
ただ、もちろん、これは予報であり必ずしも予想通りの猛暑になるわけではない。この場合、夏から秋にかけて急速に発電燃料価格が下落する可能性もあるためえ、同時に下落リスクも意識しなければならない状況か。
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