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新規材料ないが高値維持
  • MRA商品市場レポート

2024年5月22日 第2720号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「新規材料ないが高値維持」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、これまで上昇を続けてきた非鉄金属セクターに利益確定と思しき売りが入って下落したが、総じて堅調な推移となった。

昨日は重要な経済統計の発表はなかったが、米国の景気減速観測が意識される中で長期金利の低下、ドルの調整圧力が強まっており価格をファイナンシャルな面で押し上げる展開が続いている。

今回の四半期は特に非鉄金属価格の上昇が顕著で、情報を整理するとやはり投機が買いを加速させていることが価格を押し上げているようだ。

実需を伴わない価格上昇であるため、実際に売りが入ると急落する可能性がある。このとき、投機の手仕舞い売りの相手になるのは実需であるため、恐らく「この高価格がデフォルト」になるまでは売りを手控えると予想される。

仮に銅が2万ドルになったとして、そのとき売りを入れても2万ドルで買ってくれる人がいなければ、投機筋も利益を確保出来ないからだ。

ただ、景気が減速する中でここまで顕著な価格上昇になると、最終消費に影響が出る可能性は高い。LME価格の上昇をフォーミュラベースで価格転嫁している企業は、価格リスクフリーではあるものの、ここまでの価格上昇が需要を減じる可能性はある。

また、金利が発生している世界の中で、資源価格自体の上昇は、資金調達負担を高めることになるため、川下に近い企業や最終消費者(結局個人)への影響は小さくない。

なお、先ほど発表された日本の貿易収支は季節調整前後とも赤字であり、円安圧力となることから特に内需系企業への影響は小さくない。


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