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米CPI鈍化を受けた金融要因で上昇
  • MRA商品市場レポート

2024年5月16日 第2716号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米CPI鈍化を受けた金融要因で上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は総じて堅調な推移となった。注目の米CPIの減速、米小売売上高の減速、ニューヨーク連銀製造業指数の減速など、米景気の減速を示す統計の発表が相次ぎ、早期の金融緩和観測が強まったことが、ファイナンシャルな面で多くのドル建て商品価格を押し上げた。

昨日発表の米CPIは前月比+0.3%(市場予想+0.4%、前月+0.4%)、前年比+3.4%(+3.4%、+3.5%)、コア指数が前月比+0.3%(+0.3%。+0.4%)、前年比+3.6%(+3.6%、+3.8%)と、総じてインフレが減速していることを確認。

小売売上高も横這い~減速が確認され、過去の統計も下方修正されたことから米国の景気が減速していることを確認する内容(詳しくは有料レポートの「昨日のトピックス」をご参照ください)。

また、同時に発表されたISM製造業指数の先行指標の1つであるニューヨーク連銀製造業指数は、▲15.6(市場予想▲10.0、前月▲14.3)と先行きに関しても減速。ただし、仕入れ価格指数は28.3(前月33.7、前々月28.7)と高い水準を維持しており、FOMCでの利下げを早期に実施することは難しそうだ。

米国が最大消費国であるエネルギー価格への影響は中立となるが、ドル安進行や経済対策を実施している中国が最大消費国である非鉄金属価格などにはプラスに作用する。

しかし、中国の実情を示す指標はむしろ鉄鋼市場であり、こちらは米国の制裁の影響もあってかなり厳しい状況で、PMIの上昇や非鉄金属価格の上昇が示唆するほど同国の景況感は良好ではないと考えられる。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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