工業金属堅調続く
- MRA商品市場レポート
2024年5月8日 第2710号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「工業金属堅調続く」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、穀物セクターや貴金属セクター、エネルギーセクターの一角が下落したが、工業金属を中心に水準を切り上げる商品が目立った。
昨日は目立った手掛かり材料に乏しく、先週末に発表された米雇用統計の減速を消化する1日になった、と整理する方が適当だろうか。ISM製造業指数、雇用統計などの米国統計をみるに、4月と一転して米国の景気が減速している可能性が意識された。
しかし昨日に関しては日本の政府当局に因る為替介入の反動でドルが買い戻される流れとなりドル指数は上昇した。しかし、米国の景気が減速することは、米景気減速→利下げ実施→ドル安を想起させるため、特に米国が最大消費国ではない商品にとっては価格面でプラスに作用することになる。
一方、米国が最大消費国であるエネルギーに関しては需要減少観測を想起させるため、ドル安バイアスが掛かったとしても下押し圧力が強まることになる。その意味で、今晩発表の米石油統計における石油製品出荷動向は、今後の米経済を占う上で非常に重要になるだろう(詳しくはエネルギーのコラムをご参照ください)。
なお、ここに来てアジア周りの発電燃料価格が上昇を始めていることは注意が必要だ。結局、今年はアジア地区が猛暑になる可能性が意識され始めている、ということである。
過去2020年にラニーニャ現象が発生した時は、その直前までのコロナショックの影響で発電燃料在庫の水準は高かったが、ラニーニャ現象発生期間中に一気に在庫が減少しているため、現時点で発電燃料調達に問題が無かったとしても、冬場にかけては問題なしとしない。
なお、昨日、プーチン大統領が再選され、2030年まで大統領職に居座ることが確定した。これによりウクライナ戦線が終戦に向かう可能性は後退、戦闘は長期化の可能性が高まった。
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