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米ISM製造業指数 閾値の50を下回り総じて軟調
  • MRA商品市場レポート

2024年5月2日 第2706号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米ISM製造業指数 閾値の50を下回り総じて軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は欧州株式市場や中国市場が休場だったが、オープンしている市場は総じて総じて軟調な推移になる商品が目立った。昨晩発表された米経済統計で、注目のISM製造業指数は49.2(市場予想 50.0、前月 50.3)と悪化、更に注目していたJOLT求人も8,488千人(市場予想 8,680千人、前月 8,813千人)と減速、労働市場需給の緩和観測が価格を押し下げる形となった。

特にISM製造業指数を見ると新規受注が49.1(51.0、51.4)と急減速、一方で支払い価格指数は原油価格その他の上昇の影響で60.9(55.4、55.8)と急上昇、米国のスタグフレーション懸念が強まる形となった。

なお、昨年夏以降、ISM製造業指数は「良くなったり、悪くなったりしながら緩やかに改善」しているように見える。ただ、雇用環境の緩和(JOLT求人の減少)や、新規受注の減少を考えると、まだ市場参加者が想定している秋口までの景気減速がやはりメインシナリオになるのではないか。

昨日発表の米石油統計でも石油製品出荷がディスティレートがやや回復したもののその他の商品は全て先週から減速、過去5年平均と比較しても減速ペースが速かった。もちろん1週間の統計のみで判断することは危険であるが、価格の上昇に伴う消費への悪影響が顕在化しはじめたと言える。

4月以降の価格の上昇が、中国製造業PMI改善、米ISM製造業指数の改善、雇用統計改善を切っ掛けとしたものであるが、5月の統計は中国製造業PMI鈍化、ISM製造業指数悪化、でスタートしているため雇用統計次第では更なる下落となる可能性があろう。


この状況でFOMCが開催され、予想通り何もなかった。ただ、注目していたQTに関しては、米国債の規模縮小を600億ドルから250億ドルに減らすことを決定、市場予想が300億ドル程度だったため、想定よりハト派の決定。

QTペースの減速は、正常化終了が近い、ないしは景気を刺激するといった趣旨ではなく市場の流動性を担保することが主眼である。しかし、そうはいってもQTのペースを鈍化させる訳であり、長期金利の低下、並びにそれに伴うリスク資産価格の押し上げにも繋がる。


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