米国はスタグフレーションか ドル安で上昇
- MRA商品市場レポート
2024年4月26日 第2702号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米国はスタグフレーションか ドル安で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は上昇した商品が目立った。米GDPは想定を大きく上回る減速となり、2年振りの低水準の伸びとなった。その一方で物価は上昇しており、FRBが利下げに動けない、との見方が強まった。
非常に解釈が難しいが、景気が減速しているにも関わらず、金融緩和に舵が切れない、いわゆるスタグフレーションの状態に米国が入った可能性を意識させる統計であり、本来であれば金利上昇→ドル高、となりやすいはずだったが、市場は最終的にドル安で反応した。
これを受けてエネルギーも非鉄金属も価格水準を切り上げ。4月以降の価格上昇は米中統計の改善を材料とし、この四半期のテーマをコモディティに焦点を合わせたと考えられる投資銀行の見通しを受け、投機筋の買いによるもの。
現物の需給バランス以上に、金融政策や市場参加者のセンチメントが価格を左右しやすくなっており、今年に入ってからほぼ一貫して上昇している10年期待インフレ率が広くインフレ資産(特にコモディティ)価格を押し上げる流れが続いている。
しかし冷静に考えて、高金利政策が維持され、かつ、米統計が減速しているなら欧州や中国の景気にもマイナスであり、景気減速でリスク資産価格は下落に転じると考えるのが妥当であり、足下の価格上昇は先々の急落リスク含みの上昇である、と考えるべきではないか。
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