ドル高で反落 非鉄は昨日の反動で買い戻し
- MRA商品市場レポート
2024年4月25日 第2701号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ドル高で反落 非鉄は昨日の反動で買い戻し」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は非その他農産品や発電燃料の一角、非鉄金属が昨日の下落の反動で買い戻されたが総じて軟調な推移となる商品が目立った。固有の材料に乏しかったが、昨日はドル高が進行したこともあってドル高が各ドル建て資産の名目価格を押し下げる流れになった。
3月と4月で商品を巡る需給環境は大きく変化していない。もっと言えば、3月28日と4月1日でそこまで劇的に需給環境が変化する、ということはコロナショックのような強制的な経済活動の停止や、ホルムズ海峡閉鎖といった大規模な供給制限、あるいはイスラエルとの対立から、湾岸諸国が親イスラエル国に対して原油販売価格を強制的に引き上げる、といったことがなければ起こり得ない。
銅・アルミ・ニッケルに関しては4月12日に米英がロシア産の金属の取扱を禁止する制裁を発動しているが、これよりも前に価格が上昇しているため後で付けた上昇要因と言うべきである。
昨日のニュースでは、エネルギー商社が非鉄金属市場に復帰、投資銀行も非鉄金属ヘの投資を推奨し始めている。
理由は脱炭素需要の増加、鉱山開発が進むには現在の非鉄金属価格では十分ではない、という供給面を挙げている。実際、高金利政策が採算を悪化させ、生産調整の話が積極的に出始めたのが半年ほど前であり、この状態で景気が回復するのなら確かに価格は上昇することになるだろう。
ストーリーとして筋は悪くないが、消費国である日本からすれば由々しき事態でありこのリスクヘの対応は必須といえる。
生産調整や供給減少が持続的に価格を押し上げる時、逆に生産増加が価格の下落に繋がる時は、景気の転換点であることが多い。
ただ、非鉄金属の現物プレミアムはアルミを除けば低下しており、まだ需要が回復しているとは言い難い。FRBではないが、まだ経済統計を吟味する必要があるだろう。
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