金属セクター続伸 循環物色の流れ
- MRA商品市場レポート
2024年4月10日 第2690号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「金属セクター続伸 循環物色の流れ」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はエネルギーセクターが下落したが、一昨日と同様、金属セクターの上昇が目立った。
エネルギーはイスラエルのハマスとの停戦観測が売り材料になった、という報道もあったがどちらかと言えば短期的な買われ過ぎに伴う売り戻しであり、CPIを控えた動きと言える。
上昇を続けている非鉄金属は、生産者側の生産調整の話も出ているが、どちらかと言えば先月末・月初の中国・米国の景況感指数改善の影響で、ロスカットを巻き込んだ買い戻しが先行していることが影響していると考えられる。
非鉄金属の需給バランスはリアルタイムのデータが存在しないが、概ねバックワーデーションとなっている錫を除けば全てコンタンゴの状態であり、足下の現物需給がタイトとは言えない。このことを考えると、やはりここまでの上昇は先月後半に掛けてショートを積み上げていた投機の買い戻し、と考えられる。
貴金属は積極的に売る材料が無いことから金が上昇、その他の貴金属はそれに追随する動きとなっており、PGMなども株で言うところの循環物色の動きが見られた。
足下、市場参加者のリスク選好を大きく阻む材料が少ないため堅調な推移が続こうが、結局の所、米当局の金融政策(利下げや、QT動向)の影響が小さくない。今晩のCPIももちろんであるが、4月17日に予定されている米ベージュブックで、米国の景況感、合わせて賃金・インフレに関する材料の発表を待ちたい所。
ただ、速報性がある、という意味では今晩発表の米石油統計が、米国の現状を把握する上では重要になろう。
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