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米雇用統計改善で上昇
  • MRA商品市場レポート

2024年4月8日 第2688号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米雇用統計改善で上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は景気循環系商品が上昇した。注目の米雇用統計は市場予想を上回り、米景気が想定よりも堅調であることを示唆する内容だったことで需給ファンダメンタルズのタイト化観測が強まったことが、米景気改善に伴う政策金利引き下げタイミングの見直し観測、それに伴うドル高圧力を上回った。

雇用統計は雇用者数の前月比増加が+30.3万人(市場予想+21.4万人、前月+27万人)、失業率は3.8%(3.8%、3.9%)と低下し労働市場が活性化していることをうかがわせる内容。

ただし、労働参加率が上昇したことによる失業率の低下であり、労働市場の需給は緩和している可能性が出てくる。労働市場需給の目安となる「求人・失業レシオ」は、求人数が前月比横這いとすれば1.36倍で変わらず。同指数の低下はコア物価指数の低下圧力となり、金融政策にも影響が及ぶ。

しかしこの1.36倍で横這いだったということが「低下基調は維持」なのか「下げ止まった」と判断するかでかなり見通しは変わってくることになるが、今回の雇用統計の「業種別雇用者数の月次変化」をみると、最も雇用者数のシェアが2位の専門・事業所サービスの雇用者数の伸びが鈍化しているが、規模1位の教育・・ヘルスサービスは大幅に増加、宿泊飲食業も回復している。

また、建設、小売、金融なども回復しており、この統計を見る限りでは米国の景気は堅調であるといえる。

年明け以降(弊社も含めて)米国市場の先行きをやや悲観的に見過ぎていた可能性は否定できず、市場はショートスクイーズされている状態。

ただ、昨年7月も景況感改善後、年後半に米景気が失速、その後回復、を繰返しているため今回の回復が「偽りの回復」であり、高金利政策継続の中ではいったん調整ということは有り得るだろう。

なおもFRBは今後の統計を注視していく必要に迫られるが、市場は今回の統計を受けても「3回の利下げが2回程度に減った」程度の解釈であり、まだ利下げはあるとするのが市場コンセンサスである。


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