地政学リスクが原油を押し上げ 総じて堅調
- MRA商品市場レポート
2024年4月3日 第2685号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「地政学リスクが原油を押し上げ 総じて堅調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、穀物セクターと発電燃料のうちガス・LNGは下落したが、その他の商品は軒並み価格水準を切り上げた。
世界1位・2位の経済国である米国・中国の統計が改善する中、イスラエルのシリア攻撃の対象となったイラン大使館ヘの攻撃に対し、イランが「報復を行う」と発言したこと、ロシア・ウクライナの対立激化が原油の供給面のリスクを強く意識させたことで、期待インフレ率が上昇したことが多くのインフレ系資産を基本的に押し上げる材料となった。
また、昨日発表されたJOLTS求人は市場予想、前月をやや上回り雇用市場が堅調であることを意識させたことも、景気循環系商品価格の押し上げ要因となっている。
ただし、求人・失業レシオは低下しておりこちらはコア物価指数低下の可能性を示唆している。実際、FF金利先物を元に算出される利下げ見通しは、5月はほぼ見送りだが、6月9月12月の利下げを市場は織り込んでいる状況(JOLTSを受けた簡単な分析は有料レポートの「本日の見通し」をご参照ください)。
この状況でFOMCメンバーの発言は分かれた。タカ派のクリーブランド連銀メスター総裁は利下げに慎重な姿勢、ハト派のサンフランシスコ連銀デイリー総裁はなお3回の利下げが妥当、と発言している。昨日はドル安が進行しており、市場はデイリー総裁の発言の方を昨日は材料視したようだ。
本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
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