供給不安が総じて価格を押し上げる
- MRA商品市場レポート
2024年3月14日 第2671号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「供給不安が総じて価格を押し上げる」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は大幅な上昇となった商品が目立った。原油はロシアに対するウクライナの攻撃の激化を受けた地政学的リスクが意識されたこと、非鉄金属は中国の銅精錬業者が溶錬費の低下で採算が悪化、協調減産で合意したと伝えられたことが意識された。いずれも供給面の問題である。
ここに来て商品はその種類を問わず、幅広く生産調整の話が出始めている。中国の需要が低迷していることや、ロシアに対する経済制裁を背景に非鉄金属が、エネルギーはOPECプラスが価格維持のために長期にわたる減産を継続している状況。
景気は恐らく夏頃に掛けて減速するため、これらの減産は「価格を下支えする」材料にはなるが価格を持続的に押し上げる材料には本来なり難い。
しかし、昨日の米石油統計での石油製品出荷の回復や、CPIのうちサービス価格の上昇が続いていることなど「ひょっとすると景気は想定以上に強いのでは」と思わせる指標も出始めている。
市場の予想との乖離を見る上ではサプライズ指数が参考になるが、米国と中国、日本のサプライズ指数は上昇、欧州のサプライズ指数はやや低下も昨年7月以降、ほぼ一貫して上振れしている状況。
引き続き経済統計には注目する必要があるが、「市場の想定」との乖離により注目していく必要がある。
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