トランプリスク再考
- MRA外国為替レポート
2024年3月11日号
◆先週の市場総括
先週は為替市場で大きく円高が進んだ。前週から日銀高官から政策修正に前向きな発言が散見されたが、先週はさらに中川審議委員が物価目標に前進と発言、植田総裁が目標達成の可能性が高まっており見通せればあらゆる緩和策を修正する、と述べた。
一方、米国では経済指標が弱め。ISM非製造業景気指数(2月)が弱くとくに雇用指数が50割れ。他の雇用関連指標も雇用情勢の鈍化を示した。
パウエル議長の議会証言では利下げに慎重な姿勢があらためて表明されると見られていたが、インフレ鈍化の継続、利下げを開始できる確信をもてるまでそう遠くない、として他の当局者のタカ派発言より利下げに前向きと受け止められた。
米長期金利は10年債が前週末4.19%近辺から4.08%に低下して引け。2年債も4.53%台から4.47%台に低下。
ドル円相場は150円台前半で推移したあと148円近辺に下落。さらに週末の雇用統計が概ね雇用情勢の鈍化を示したことで、円買い戻しが進むなか一時146円台半ばまでドル安円高。引けは147円近辺。
ユーロ円相場も162円台後半で始まり161円割れで引けた。ユーロは対ドルで堅調。1.08台半ばで始まり週末には一時1.10に迫り引けは1.0940。
米国株は金利低下が支えとなったものの、過熱感から利益確定売りが嵩んで上値の重い値動き。日経平均も週初に4万円の大台に乗せて寄り付いたものの、その後は上値重く推移。米国株が上昇を欠き、日銀の政策修正観測が高まったことを材料に過熱感から利益確定売りが嵩んだ。引けは39,600円台。
月曜日の東京市場では日経平均が続伸。寄付きから4万円の大台を突破した。
週末の米国の経済指標が弱めで利下げ後ろ倒し懸念が後退。米長期金利が低下し米国株がハイテク中心に上昇を受けて高く始まった。先物に損失回避の買い戻しが入ったことも手伝って一時40,300円台まで上昇。引けは前週末比+198円高の40,109円で史上初の4万円台。
ドル円相場は150円台前半で底固く、材料難から狭いレンジでのもみ合いに終始した。東京市場は150円ちょうどで始まりじり高。欧州市場では150円20銭~40銭、さらに欧米市場では40銭~60銭とレンジを切り上げてもみ合い引けは150円50銭。
ユーロドル相場は1.0840で始まり欧米市場では1.0860近辺でもみ合い引け。ユーロ円相場は162円70銭で始まり夕刻は163円20銭。欧米市場では概ね163円前半で上下し引けは163円40銭近辺。
米長期金利は上昇。今週のパウエルFRB議長による議会証言であらためて利上げに慎重な姿勢が示されるとの警戒感が根強い。10年債は4.217%、2年債は4.612%。
米国株は小幅安。今週のイベントを前に利益確定売りが優勢となった。ただソフトランディング期待は支え。NYダウは前週末比▲97ドル安の38,989ドル。ナスダックは▲67ドル安の16,207ドル。
火曜日の東京市場では日経平均が3営業日ぶりに小幅反落。短期的な過熱感から半導体関連などに利益確定売りが強まった。一方、中長期的先高感で割安銘柄には買い。引けは前日比▲11円安の40,097円。
ドル円相場は150円50銭で始まり40銭~60銭の狭いレンジでもみ合い小動き、横ばい。ユーロ円相場も163円40銭で始まり20銭~40銭で上下もみ合い小動き。ユーロドル相場も動意薄で1.0860からやや下げて1.0840。
欧州市場のドル円相場は150円40銭近辺でもみ合い。その後米国で発表された経済指標が弱くドル安。一時149円70銭に下落。その後は150円を挟んで上下して引けは150円ちょうど近辺。
ユーロドル相場は1.0850中心に上下したあと1.0870台に上昇し引けは1.0860。ユーロ円相場は162円70銭に下落したあとは162円台後半で上下して162円90銭近辺で引け。
米長期金利は低下。10年債は4.138%、2年債は4.555%。
サービス業PMI(2月)改定値は速報51.3から52.3へ上方修正されたが、ISM非製造業景気指数(2月)が前月53.4から52.6へ予想53.3を下回り悪化。
雇用指数が50.5から48.0へ悪化して50割れ。雇用逼迫の緩和を示した。価格指数は58.6と前月64.0から低下しインフレ圧力の鈍化を示した。
新規受注指数は55.0から56.1へ改善したが寒波の影響の緩和によると判断された。
製造業新規受注(1月)は前月比が前月▲0.3%に続き▲3.6%のマイナス。米国株は主要指数がそろって下落。アップル社が中国での携帯販売不振で下落。ハイテク関連に利食い売りが優勢。高値警戒感が漂うなかパウエル議長証言前に持ち高調整の売りが嵩んだ。NYダウは前日比▲404ドル安の38,585ドル。ナスダックは▲267ドル安の15,939ドル。
水曜日の東京市場では日経平均がわずかながら続落。前日の米国株が大きく下げたことで4万円の大台割れ。ただ午後には持ち直し下げ幅を縮めた。ハイテク株は売られたがプライム市場全体では値上がり銘柄が7割に達した。
グロース株からバリュー株への資金シフトで下げは限定的。前日比▲6円安の40,090円で引け。
ドル円相場は150円ちょうどで始まりじり安。諭告には149円80銭。欧州市場に入ると149円30銭台に急落。ただその後は持ち直し60銭~80銭で上下。米国市場に入ると弱い雇用関連指標を受けて下落し30銭~50銭のもみ合い。一時10銭近辺に下落した。引けは149円40銭。
ADP雇用報告(2月)は雇用者数前月比が+140千人と予想+150千人を下回った。前月は+107千人から+111千人にやや上方修正されたが低調な数字。
JOLT求人数(雇用動態調査、1月)は8,863千人と前月から減少。前月も9,026千人から8,889千人へ下方修正された。
ベージュブックでは、1月初旬から2月下旬にかけて経済活動はわずかに増加した、と記された。インフレと雇用が今後どの程度冷え込むかはまちまちの見方。ただ全体的に景気減速をあらためて意識させる内容だった。
ユーロドル相場は底固く推移。東京市場では1.0860で始まり欧州市場では1.0870~80でもみ合い。米国市場では1.0910台へユーロ高ドル安。引けは1.09ちょうど近辺。
ユーロ円相場は162円80銭~90銭で始まりやや押して60銭~80銭で推移。欧州市場に入ると一時162円20銭に下落したが反発して欧米市場では162円台後半で上下動。引けは162円80銭。
パウエル議長は議会証言で、年内の利下げが適切となる、と述べた一方、目標に向かっていると確信できる指標をもう少し見極めたい、と述べた。
底固い経済、雇用とインフレの沈静化が続いているとの見方は維持。市場は、インフレ鈍化には楽観的で一部の高官ほど利下げに慎重な姿勢を示さなかったと受け止めた。米長期金利は10年債が4.107%に低下。2年債はほぼ横ばいで4.559%。
米国株は小幅上昇。雇用鈍化を示す指標やパウエル議長の発言が想定内で警戒感がほぐれた。一方週末の雇用統計を前に動きは鈍かった。NYダウは前日比+75ドル高の38,661ドル。ナスダックは+91ドル高の16,031ドルで引け。
木曜日の東京市場では急速に円高が進んだ。株価は大幅続落。3月の会合で日銀がマイナス金利解除との見方、金融政策正常化が進むとの見方が強まったことが背景。
朝方にブルームバーグ社が、一部政府関係者が3月ないし4月会合でのマイナス金利解除に容認姿勢を示している、と報じた。また中川審議委員が、2%の目標達成に向けて着実に前進している、と述べた。
さらに植田総裁が国会で、2%目標達成の可能性が高まっている、見通せれば様々な緩和策を修正する、と発言した。また連合が今年の春闘賃上げ要求が平均5.85%になり昨年の4.49%を上回る、と発表したことも、早期マイナス金利解除との見方を強めた。
ドル円相場は149円40銭で始まると早々に148円80銭に下落。一時下げ止まるも中川発言で続落して60銭割れ。さらに15時以降には148円割れに下落した。
ユーロ円相場は162円80銭で始まり161円90銭近辺に下落して上下。15時過ぎに161円ちょうどまで下落。
日経平均は米国株高を受けて朝方は40,400円台に上昇したがその後は急反落して大幅安。過熱感が強まっていたところで日銀の早期金融政策修正観測、円高を材料に利益確定売りが嵩んだ。引けは▲492円安の39,598円。日中の変動幅は900円に及んだ。
欧米市場のドル円相場は147円80銭~149円10銭近辺で推移したあと147円60銭に下落。その後ユーロ円相場の反発につれ持ち直したが上値重く148円ちょうど~20銭で上下し引けは148円ちょうど近辺。
ユーロ円相場は欧州市場で160円60銭まで下落。ユーロドル相場は東京市場で1.09ちょうど近辺で小動きもみ合いのあと、ECB理事会の決定、ラガルド総裁発言を受けて1.0870割れにユーロ安ドル高。
ECBはこの日政策金利を4.50%で据え置くことを決定。しかし物価見通しを下方修正。ラガルド総裁が、利下げにはさらなるデータが必要、としつつも、6月にはさらに多くのことがわかる、と6月の利下げを示唆した。
その後、米国市場では雇用関連指標が弱め。パウエル議長は上院で証言。利下げを開始できる確信をもてるまでそう遠くない、と述べた。時期尚早な利下げによるリスクは協調せず、利下げを過剰に遅らせるリスクも認識していることが示された。
為替市場ではユーロ安のあとドル安に転じた。ユーロドル相場は1.0950手前まで急反発して引け。ドルインデックスは102.82に下落。ユーロ円相場も162円ちょうどまで反発して引け。米長期金利は年央に利下げとの見方が強まり低下。10年債は4.088%、2年債は4.505%。
米国株は主要3指数がそろって上昇。パウエル証言が年央利下げとの見方を支持。長期金利低下が支え。ひとまずの安心感でハイテク中心に買われた。NYダウは前日比+130ドル高の38,791ドル。ナスダックは+241ドル高の16,273ドル。
金曜日の東京市場では日経平均が4営業日ぶりに上昇。米国株高を受けて堅調。ただ4万円の大台接近では戻り売り待ちが重石となった。円高進行で輸出関連に売り。その後は円高一服で下げ止まり午後は一時+400円超上昇する場面もあったが引けは+90円高の39,668円。
ドル円相場は148円ちょうど近辺で始まり朝方一時147円50銭台に下落。ただその後は反発して147円80銭~148円ちょうどを中心に上下動。ユーロ円相場は162円ちょうどで始まり161円60銭台に下落したあと持ち直し162円台に戻したあと161円80銭~162円ちょうどでもみ合った。
ユーロドル相場は1.0950近辺でもみ合い小動き横ばい。欧州市場に入ると日銀のマイナス金利解除、政策修正を材料に再び円が買い戻された。ユーロ円相場は160円60銭まで下落。
ドル円相場も146円80銭台に下落。ただその後は持ち直し147円30銭で米国市場に入り雇用統計待ち。
注目の米雇用統計(2月)は非農業部門雇用者数前月比が+275千人と予想+188千人を上回る増加。しかし前月分が+353千人から+229千人に大幅下方修正。失業率は前月3.7%から3.9%に予想外に上昇。
平均時給前年同月比は前月が+4.5%から+4.4%に下方修正され当月は+4.3%に上昇鈍化。
数字は強弱入り混じりながら雇用は緩やかに鈍化減速、インフレ圧力の抑制を示したと受け止められた。
米10年債利回りは乱高下。前日引けは4.09%だったが、発表直後に、4.12%に上昇、4.04%に低下、その後持ち直したが前日より低下して引けは4.08%近辺。米2年債利回りは4.48%近辺に低下。
ドル円相場は146円50銭に急落したあと147円30銭に反発、引けにかけては147円ちょうど近辺でもみ合い引けた。ユーロ円相場は米国市場にかけて反発じり高で161円20銭に上昇。その後押されて引けは160円90銭。
ユーロドル相場は雇用統計を受けて1.0980台に上昇したが反落して引けは1.0940。
米国株は下落。ソフトランディング期待は支えとなったものの全般的に利益確定売りが優勢。とくにAI、ハイテク関連に売りが嵩んだ。NYダウは前日比▲68ドル安の38,722ドル、ナスダックは▲188ドル安の16,085ドル。
◆今週の3つの注目ポイント
日銀、FRB、ともに次週に控える金融政策決定会合前に当局者の発言規制(ブラックアウト)期間に入る。
1.米国の経済指標
今週は物価指標に注目。
火曜日 消費者物価指数(CPI、2月、前年同月比、総合指数、予想+3.1%で前月と変わらず、コア指数、予想+3.7%、前月+3.9%)
木曜日 生産者物価指数(PPI、同、総合指数、予想+1.1%、前月+0.9%) 小売売上高(2月、前月比、予想+0.6%、前月▲0.8%) 米週間新規失業保険申請件数
金曜日 NY連銀製造業活動指数(3月、予想▲8.0、前月▲2.4) 輸入物価指数(2月、前月比、予想+0.2%、前月+0.8%) 鉱工業生産(2月、前月比、予想0.0、前月▲0.1%) 設備稼働率(予想78.4%、前月78.5%) ミシガン大学消費者信頼感指数(3月速報、予想77.5、前月76.9)
2.日本のGDP、企業物価、春闘
来週初に日銀金融政策決定会合を控え、政策修正を促す材料がみられるか。月曜日にGDP(10-12月期、改定値)が発表される。
前期比年率は速報が▲0.4%で2期連続マイナスとなり数字の上では景気後退ともみられたが、改定値では+1.1%に上方修正、プラス成長となると見込まれている。
火曜日には国内企業物価(2月)が発表される。前年同月比は、予想+0.5%と前月+0.2%から上昇率が加速するとみられる。
また春闘の回答に注目。先週、連合は今年の賃上げ要求が平均5.85%と昨年4.49%を大きく上回る、と発表。妥結水準が注目される。
3.中国の金融政策
木曜日に中国人民銀行が中期貸出金利を発表する。さらなる景気刺激策として利下げに踏み切るか。市場では預金準備率の引き下げで通貨供給量を増やすことによる緩和が今後も続き、利下げは難しいとの見方もあるがどうか。中国景気の先行き懸念が緩和するか。
◆今週のMRA's Eye
トランプリスク再考
先週火曜日は、大統領候補をめぐる予備選挙や党員集会が集中し候補者を決定づける、いわゆるスーパーチューズデー。共和党候補がトランプ氏でほぼ確定した。
大統領選挙は現職バイデン大統領とトランプ氏の戦いになるが、現時点でトランプ氏が有利といわれている。
現時点で党員集会に反映されない無党派層の動向が読めず、反トランプに傾いているともみられることから予断は許せないが、今一度、トランプ氏が新大統領となった場合のリスク要因を整理しておき、今後のリスクバイアスの推移を見守る必要があろう。
結論を先取りすれば、政策面では総じてドル高円安サイドのバイアス、ないし乱高下リスク、リスク回避による円高バイアスもありうる、ということになりそうだ。
経済政策は財政政策、エネルギー政策、通商政策、がどうなるかだが、総じて景気刺激的、インフレ加速方向に傾くリスクがある。
エネルギー政策は明確。支持基盤であるエネルギー業界、石油業界に配慮し、再びパリ協定から脱却し脱炭素から逆行する可能性が大きい。
結果として炭素系エネルギー消費が強まり、これまでの景気動向に応じたエネルギー需給から引き締めサイドに振れ、エネルギー価格を押し上げる要因となりうる。
結果的に価格が上昇するかどうかは景気減速による需要後退と、エネルギー生産に政策的な減産バイアスが掛からなくなることによる生産増加、トランプ氏の政策による効果の強弱による。
通商政策は対中輸入関税引き上げが再び発動されるか。関税増は輸入企業の価格転嫁により物価上昇圧力となる。また中国からの輸入製品が最廉価だった場合、調達先の変更はやはり価格上昇につながる。
輸入関税増による調達先の見直し、サプライチェーンの見直しは、一般的に価格上昇・インフレ圧力だ。
不透明なのは財政政策・景気刺激策。前回の大統領選挙勝利時には、道路を造る、橋を造る、とインフラ投資の増強を謳う演説を行った。
今回はどうか。まだ公共投資に関して明確な発言はない。仮に財政拡張・需要刺激的な政策がとられた場合、これも再びインフレ圧力を強める方向に働きかねない。
問題はそうした政策を採りうるか。トランプ氏支持が強まっているのは引き続き「置き去りにされ不満を持つ中位・下位所得層、特に白人層」のようだ。インフレが高進したことで、バイデン政権に不満を持ち、その反面でトランプ支持が強まっている面があろう。
景気かインフレか。トランプ氏がどちらを重視するかによって財政政策の行方が異なってくる。あるいは通商政策やエネルギー政策にも影響するだろう。
インフレが問題であり、インフレ抑止の成否が支持の強弱に影響すると考えれば、これらの政策は抑制的になる可能性もある。
一方、所得増強・減税・景気刺激などでインフレによるリビングコスト上昇を賄おうと考え実行する可能性もありうる。
バイアスとしては、景気・インフレ刺激的に傾くか、さほどそうした要因が強まらないか。政策のリスクは、現状よりは上方バイアスということになる。この切り口だけからみれば、ドルのリスクは上方バイアスとなる。
一方、金融政策には口を出し、利下げを「強要」することは確実だろう。もちろんFRBパウエル議長ほかメンバーは聞く耳をもたないはずだが、現在の状況では次の一手が利下げであることは不変。そのタイミングの問題。
トランプ氏が実際に景気刺激的な財政政策を導入すれば、FRBのインフレ警戒感は強まり利下げを躊躇する可能性がある。
政権の政策とFRBの政策の摩擦、両者の対立が深まるだろう。金融市場には波乱要因となる。景気押し上げは一面で株価やリスク選好を強める可能性があるが、FRBが利下げ停止ないし再利上げに傾くとすれば株価・リスク選好に逆風。
様々な金融資産市場で乱高下、ボラティティが高まる可能性がある。ドルも乱高下。リスク回避に傾けば円買い戻し・円高につながる可能性がある。
外交政策はアメリカ第一主義に回帰するだろう。海外情勢、国際紛争に対する不介入主義となる。トランプ氏はかねてからロシア寄りとされてきた。ウクライナ支援の削減ないし打ち切り、ウクライナ紛争への関与から撤退、欧州への丸投げもありうる。
ウクライナが戦争続行不可能となり停戦となれば局面は戦後復興へ。国際的な資源需給は引き締まり価格上昇・インフレ圧力に。また中東問題からも距離を置く姿勢。支持基盤からイスラエルへの協力は継続か。
中東イスラム諸国は内部対立から反イスラエルで団結・共闘姿勢になる可能性がある。この場合、西側諸国には、原油調達や海上輸送の安全性で困難が生じるだろう。
原油その他鉱物資源の価格上昇、海運市況の上昇、などにより、日本の収支は悪化し円安圧力が再び強まる可能性がある。この点はどのように展開するか読みにくく実現の確度も低い。あくまでも確度の低いリスクシナリオとして念頭に置く程度か。
主要指標は、有料版「MRA外国為替レポート」にてご確認いただけます。
【MRA外国為替レポート】について