PCE発表を控えたポジション調整主体でまちまち
- 新村ブログ《油売りのひとりごと》
2024年2月28日 第2660号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「PCE発表を控えたポジション調整主体でまちまち」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、非鉄金属などの工業金属セクターが買い戻しで上昇、エネルギーセクターは続伸、その他農産品も期待インフレの影響を受けやすいため、原油価格の上昇を受けて水準を切り上げた。
目先、目立った材料に乏しく、発表される統計も強弱まちまちの状態が続いており方向感が出難い。市場は明確にFRBが重視していると宣言しているPCE価格指数の発表を待っている状況。
昨日発表された製造業の設備投資の先行指標であるコア資本財受注は前月比+0.1%(市場予想+0.1%、前月▲0.6%)と回復、一方で個人消費の指標であるコンファレンスボード消費者信頼感指数は106.7(市場予想 115.0、前月 110.9)と、市場予想、前月とも下回った。やはり多少なりとも循環的な景気減速が秋にかけて起きる可能性が高い、ということだろう。
しかし、低下したとは言え、年後半に利下げが見込まれていることが株価を押し上げており、株上昇による資産効果で消費を加速させやすい米国の個人消費が増加、インフレを押し上げて高金利政策維持、という流れになる可能性も想定される。
なお、昨日は円が上昇し日経平均株価も調整する局面があった。日本の消費者物価指数が前年比+2.2%(市場予想+1.9%、前月+2.6%)、コア指数が+3.5%(+3.3%、+3.7%)と、市場予想ほどの減速にならなかったことが材料だった。
日本の前年比物価上昇率は一服するとみてはいるが、米金利高・ドル高が続く中では想定よりも物価が低下しない可能性は十分有り得る。
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