割安感から発電燃料上昇 夏場を警戒か
- MRA商品市場レポート
2024年2月29日 第2661号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「割安感から発電燃料上昇 夏場を警戒か」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、発電燃料価格が上昇し、原油は上昇後下落、非鉄金属などの工業金属セクターは総じて軟調ながら、一部の金属は水準を切り上げる展開となった。
足下、目立った新規手掛かり材料に乏しく、市場の関心は米国の金融政策動向の判断材料となる今晩発表のPCEデフレータに集まっている。昨日はこれを控えたポジション調整的な取引が引き続き主体だったと考えられ、方向感が出難かった。
ただ、米石油製品出荷は低迷しており決して足下の消費動向は堅調、とは言い難く減速の可能性も排除できない(詳しくは本日のMRA's Eyeをご参照ください)。
その中でこの数日堅調なのが発電燃料。冬場は終了しむしろ価格が下がってもおかしくないのだが予想以上の暖冬だったこともあって水準が大きく低下していたため、猛暑となる可能性が高まるラニーニャ現象の発生見通しを背景に、値決めを急ぐ動きがみられたと考えられる。
もう1つの関心事は中国の動向。結局、住宅セクターを加熱させるような対策の実施は難しく、鉄道などの近代化に資する投資程度に限定されている状態。
この状況を受けて習近平国家主席は財の消費を増やすための対策(性能アップにより、消費者の購買意欲を増すものを開発するよう、指導すると発言)に舵を切ろうとしている。
しかし、企業業績が振るわず、外資も監視強化の中で中国から撤退する中で新しく消費者を刺激するような商品が直ちに開発できるとは考え難い。
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