CONTENTSコンテンツ

リスク選好強まり堅調
  • MRA商品市場レポート

2024年2月23日 第2657号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「リスク選好強まり堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、総じて堅調な推移となった商品が目立った。米国時間に発表された雇用関連統計の改善や、強いとも、弱いとも言いきれないPMIや中古住宅販売などを背景に、米国は当面現状のスタンス通りの金融政策が続くものの、先々の利下げを否定するものではない、との見方が広がったことが材料となった。

また、市場参加者が注目していたエヌビディアの決算が市場予想以上の内容となったことでアジア時間から株価が堅調に推移、AI関連株が物色される中で市場参加者のリスクテイク意欲が回復したことも、リスク資産価格を押し上げる形となった。

また、固有の材料としては中東情勢不安が継続していること(+上記の通りの米国景気の好調)を背景に、原油価格が高止まりしていることも商品価格を高値に維持している。

中東ではイエメンのフーシ派が潜水艦を購入して欧米の艦船に対する攻撃を激化させると表明、イランでは「体制に影響を及ぼす穏健派を立候補させず」議会選挙が行われており、イスラエルとアラブ諸国の対立からより右派的な色彩が強い体制になるのでは、との懸念も高まっている状況。

しかし、昨日発表の米石油統計では原油在庫は減少したものの市場予想ほどではなく、このコラムでも度々指摘している様に石油製品の出荷は低迷、特に商業向けの色彩が強い中間留分の出荷が低迷していることが、「統計で見られるほど、米国経済が堅調ではない」ことを示唆している。

足下はリスク選好の回復でリスク資産価格が想定以上に高い状態になっているが、今年の後半以降の景気循環による景気の底入れ、回復の前の大きな調整リスクは残存していると考えた方がよいのではないか(それに対する備え)。


本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
【MRA商品市場レポート】について