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米CPIを受けて下落 原油は地政学リスクを意識して堅調
  • MRA商品市場レポート

2024年2月14日 第2650号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米CPIを受けて下落 原油は地政学リスクを意識して堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、原油・石油製品、その他農産品や錫など供給面が意識された商品価格が上昇したが、工業金属、貴金属などは広く売られる形となった。注目の米CPIが総合指数・コア指数とも市場予想通りの減速とならなかったことで、金利高・ドル高となったことが影響した。

米CPIは総合指数が前月比+0.3%(市場予想+0.2%、前月+0.2%)と伸びが加速、コア指数も+0.4%(+0.3%、+0.3%)と伸びが加速した。

「このペースで行くと」を示す、前月比を年率換算した上昇率は総合指数が+3.7%、コア指数が+4.9%となり、とても利下げを容認できるような上昇率ではない。

しかし、CPIはラスパイレス方式(ある基準時点の品目ウェイトを利用して求める)を採用している一方、PCEはフィッシャー指数(ラスパイレス指数と、パーシェ指数(比較する時点のウェイトを元に算出)の幾何平均)を採用しているため、よりPCEの方が実態に近いとされ、FRBもこちらを重視している。

直近のPCE価格指数は総合・コアとも前月比+0.2%であり、年率換算すると+2.4%となる。こちらを重視するならばインフレは鈍化していると考えて良い。

しかし、足下の雇用関連統計の強さを考えると今月末発表のPCE指数が上昇する可能性も排除できず、引き続き物価関連統計には注目する必要がある。

なお、金価格を始めとしてインフレ系資産(ほとんどの商品がインフレ連動資産だが)ヘの影響が大きい米物価連動債の参照物価指標は全米都市部の全対象消費者物価指数(CPI-U Consumer Price Inex for All Urban Consumers)で有るため、昨日発表のCPIの影響は小さくない。


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