強気の米統計続きドル高で軟調 液体エネルギーは上昇
- MRA商品市場レポート
2024年2月6日 第2644号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「強気の米統計続きドル高で軟調 液体エネルギーは上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は自国通貨建て商品と、中国などが消費主体の工業金属価格、発電燃料の一角が下落したが、米国が消費主体の液体系エネルギー価格は上昇した。
昨日発表の米ISM非製造業指数が53.4(市場予想52.0、前月50.5)と、市場予想、前月とも大幅に上回る改善となり、米景気の回復期待が高まったことが需要増加観測を誘発、特に米国が消費主体のエネルギー系商品価格は上昇した。
統計の内訳で気になるのは、新規受注の伸びが55.0(市場予想54.8、前月52.8)と顕著エアリ、著しく低迷していた筈の雇用も50.5(49.4、43.8)と大幅に改善している点である。
また、仕入れ価格指数は64.0(56.7、56.7)と大幅な上昇となった。このことはFRBや特に市場が想定している以上にインフレが粘着質であることを示唆している。確かにこれまでの労働関連指標を元にすれば、米国のインフレ鈍化は足踏みしていておかしくない。
ただ、ISM非製造業指数はフォワードルッキングな指標であるため、これまでのハード指標を元にした分析以上に先行きの状況を語っている訳だがこの統計を見るに、FRBがそう簡単に利下げに動けない可能性が高まってきた。
足下の米サプライズ指数42.6(シティバンク提示)と、前日から+3.1ポイント上昇している。
このことは過去データを元に将来を分析しているアナリストの前提が崩れている(特に昨年11月以降に予想比で統計が下振れしていたため、そのトレンドを元に将来予想をした結果、予想が下に外れやすくなっている=想定よりも景気が底堅い)ことを示唆している。
引き続き今後発表される統計を吟味する必要があるが、市場は5月の利下げ見通しを54.0%(前日59.9%)に引き下げ、据え置きの可能性は37.7%(26.8%)に上昇した。むしろ6月利下げの可能性を意識し始めているようだ(29.8%→40.0%)
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