強気の米統計を受けた金利高・ドル高で総じて軟調
- MRA商品市場レポート
2024年2月5日 第2643号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「強気の米統計を受けた金利高・ドル高で総じて軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は発電系燃料やその他農産品の一角が上昇したが、総じて軟調な推移となる商品が目立った。
注目の米雇用統計が前月比+35,3万人(市場予想+18.5万人、前月+33.3万人)と市場予想、前月とも大幅に上回ったこと、平均時給も前月比+0.6%(+0.3%、+0.4%)、前年比+4.5%(+4.1%、+4.3%)と上昇しており、米国の労働環境が少なくともまだ緩和していないことが確認されたことが材料となった。
しかし、労働時間は34.1時間(34.3時間、34.3時間)と減少している。寒波などの悪影響によって労働時間が短縮され、比較的賃金の低い小売りや娯楽・ホスピタリティなどの業種の労働時間の減少が、賃金を押し上げた可能性は否定できない。そのため2月の雇用統計はより重要になるだろう。
そもそも1月の雇用統計は季節調整の影響と、年次データの見直しで大きくぶれるためこの統計を以て全てを判断することはリスクがあるが、少なくともこの統計を受けて、現時点で3月利下げは先送りされる、と判断しても不思議はない。
その結果、金利上昇とドル高、景気への楽観から株上昇、実態の経済活動は鈍化しているため商品価格は下落(特に景気循環系商品と、米国経済の影響よりも中国経済の影響が大きい工業金属が下押しされやすい)という整理となる。
ただし、労働市場需給が趨勢で見た場合に緩和方向にあることはまた事実であり、インフレ率を政策金利が上回っている状況を長期にわたって放置できると考え難いのもまた事実であり、再び利下げのタイミングを探る動きとなる。
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