米統計改善・中国金融緩和で上昇
- MRA商品市場レポート
2024年1月25日 第2636号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米統計改善・中国金融緩和で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、金や石炭などの価格が調整したが、その他の商品は軒並み水準を切り上げる展開となった。
昨晩発表された欧米のPMIは、欧州はまだ閾値の50を製造業・サービス業とも下回っており経済活動が縮小する局面にあり、サービス業に至っては前月から減速が確認されている一方、米国は製造業、サービス業とも改善しており、最大経済国である米国の景況感が悪くない、との見方が景気循環系商品価格の上昇要因となった。
また、米国動向以上に中国の動向が価格を左右しやすい工業金属に関しては、中国人民銀行が大手銀行向けの預金準備率を▲0.5%引き下げたことで、経済活動の活性化期待が高まったことが、価格を押し上げた。
なお、中国当局は現在、国内から海外への資金流失に神経を尖らせており、資金流出を加速させかねない金融緩和には非常に慎重であり、追加的な緩和は余り期待できないと考えられる為、金融緩和の景気刺激への影響は限定されるのではないか。
また、ここに来て急速に懸念が高まっているアラビア半島近海の海上輸送であるが、フーシ派が英米のイエメン駐在員(国連や人道支援組織の職員)に対して30日以内の国外退去を命じるなど、緊張が高まっている。
基本、背後にいるイランは国内の経済情勢が悪化していることから、米国やイスラエルとの戦争は望んでいないと考えるのが妥当であり、今のところは局地的な衝突で済むと考えられる。
しかし、攻撃が頻発に起きれば偶発事故の発生リスクは高まるため、少なくともフーシ派の攻撃の理由とされている、イスラエルのガザへの軍事侵攻が終了する必要があるだろう。
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