米CPIと米30年債入札を受けて下落後上昇
- MRA商品市場レポート
2024年1月12日 第2627号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米CPIと米30年債入札を受けて下落後上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は下落後上昇する商品が目立った。注目の米CPIが市場予想を上回る上昇となり、米国の利下げ期待が後退したことで実質金利の上昇とドル高が進行したことが価格を下押ししたが、その後の米30年債が好調だったことで金利が低下、ドル安も進行したことが価格を支えた。
基本的に現物の需給ファンダメンタルズは多くの商品でフラット~弱気であり、足下は金融政策動向を踏まえた実質金利やドル指数動向が価格を決定しやすい。
そのため、昨日のCPIは注目されていた訳だが、総合指数が前月比+0.3%(市場予想+0.2%、前月+0.1%)、前年比+3.4%(+3.2%、+3.1%)と上昇、より重要なコア指数は、+0.3%(+0.2%、+0.3%)、+3.9%(+3.8%、+4.0%)と想定よりも消費者物価が低下していないことが確認されている。
しかし、コア指数に関しては「前月から減速」しており、早晩、米国が利下げをすることは間違いないとの安心感が米国時間後場にかけての商品、株などのリスク資産価格を押し上げたと考える。
CPIの内訳を見ると、コア指数への寄与が大きい住宅は前年比+6.2%(前月+6.5%)と伸びが減速、サービス(除家賃)も+3.4%(+3.5%)と減速している。
今のところそこまで積極的に材料視されていないが、イランがタンカーを拿捕し、先ほど英米がイランが支援しているイエメンのフーシ派に空爆を行ったと報じられており、イスラエルのガザ侵攻を受けて中東情勢不安が広がっていることは懸念である。
ただ、イランは国内の経済状態が悪化しており、欧米とことを構えるつもりは基本的にはない。しかし、こうした局地的な小規模な衝突で抜き差しならない状態になることは、過去にも見られた事であり、ガザ紛争の早期の収束と、アラブ諸国+イランに納得がいく決着となる必要がある。
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