米CPIを控えてまちまち
- MRA商品市場レポート
2024年1月11日 第2626号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米CPIを控えてまちまち」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はまちまち。液体系エネルギーセクターは昨晩発表の米石油統計で在庫の増加と出荷の低迷が確認されたことが売り材料となり、軟調な推移となった。
一方、ドル指数がやや軟調な推移となったことで、非鉄金属などの工業金属セクターは下げ渋る展開となり、貴金属は小幅に下落している。
市場参加者は今晩発表の米CPI動向を睨みながら、慎重にポジション調整を行っているとみられる。
年が明けて1週間程度経ったが、ここまでの動きをみて感じるのが
1.米労働市場の需給は緩和方向にあると期待されるものの、統計上はむしろタイト化しているため米国の高金利政策は急に変更されない
2.期待されていた中国のインフラ投資はまだ顕在化しておらず、中国国内の景気回復の足取りは想定よりも遅い
3.ESG投資にやや逆風が吹き始めているものの、脱炭素の流れは大きく変わっていない
4.2024年以降の世界経済を占う上で重要な米大統領選挙は、現時点ではトランプ元大統領が有利なポジションにいるため、「もしトラ」を意識する動きが見られる
ことだろうか。特に4.については米国が再び孤立主義に転じる可能性が有り、ロシアのウクライナ軍事侵攻以降「中国・ロシア・北朝鮮・イランの連携」が強まっている中で、我々日本の安全保障面でも大きなリスクとなる。
また軍事面のみならず、トランプ政権が誕生すれば産業用電力料金の価格が日本の半分以下である米国に「全ての半導体工場を誘致する」ぐらいのことはやりかねず、日本で進んでいる半導体関連ビジネスのコンペティターになり得る可能性がある。
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