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エネルギーセクター上昇 金属セクター下落
  • MRA商品市場レポート

2024年1月10日 第2625号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「エネルギーセクター上昇 金属セクター下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、液体系エネルギー価格と発電燃料の一角が上昇、その他農産品などが上昇したが、工業金属や貴金属は水準を切下げた。

昨日の市場は解釈が難しいが、エネルギーに関しては前日の売られすぎの反動による買い戻しと、北米の寒波の影響などが材料となり、その他の商品は米金利低下にともなう割高感から株が調整、リスク回避的にドル高が進行したことが価格を総じて下押ししたと整理するのが妥当だろうか。

年初の取引は今年の取引の方向性を決めるため注目しているが、今年はまだ方向性がはっきりしない。経済統計は減速しているものの、米国の労働関連統計は労働市場需給がタイト化していることを示唆するようなものも多く、結果的に金融政策の方向性がはっきりしないためだ。

今に始まったことではないが、市場は金融政策をかなり先行して織り込むため、今はこの反動が起きていると整理しても良いのではないか。

昨日のレポートのコメントを再掲するが、やはり今年の重要なテーマの1つが、景気底入れのタイミングに加えて、金利動向であることは間違いが無いだろう。

米長期金利は、まだ何の利下げも行っていないにもかかわらず、米長期金利は5%から4%前後に低下している。単純な感応度分析を行うと、±1%のFF金利の変動で10年金利は±0.6%変動する。

10年金利が5%から4%に低下していることは、▲1.5%の政策金利引下げと同じ効果といえ、現在の市場コンセンサスである「2024年は5回程度の利下げ」とほぼ同様の水準。

しかしFOMCメンバーはせいぜい3回程度の利下げしか想定していない。これを埋め合わせる動き(市場よりもタカ派な政策による動き)がしばらく見られると考えられる。


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