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景気循環系商品売られる
  • MRA商品市場レポート

2024年1月9日 第2624号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「景気循環系商品売られる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、エネルギーを始めとする景気循環系商品価格が水準を切下げたが、ドル安が進行したことを受けてその他農産品などが水準を切り上げた。

サウジアラムコがOSPを大幅に引き下げたことなどに端を発する原油価格の下落が、景気の減速に伴う需要減少観測を想起させたため、全体的に景気循環系商品価格が水準を切下げる動きとなった。

金などの典型的な安全資産は基準価格は上昇したものの、FOMCメンバーによるQTペース緩和発言を受けた金利低下で株高が進行していることから、安全資産としての需要が減少したことが価格を押し下げた。

昨日の動きは今年の重要なテーマの1つが、景気底入れのタイミングに加えて、金利動向出あることを示唆するものだった。正直な感想を言えば、まだ何の利下げも行っていないにもかかわらず、米長期金利は5%から4%に下落している。

単純な感応度分析では、±1%のFF金利の変動で、10年金利は±0.6%変動する。5%から4%ヘの金利低下は、▲1.5%の政策金利引下げと同じ効果といえ、現在の市場コンセンサスである「2024年は5回程度の利下げ」とほぼ同様の水準だ。

ただ、この状態で実際に利下げが始まったとしても、思惑で価格が変動しやすい株価と異なり、商品価格の上昇になるかどうかは需給ファンダメンタルズの裏付けが無いため些か疑問だ。結局の所、市場予想通りQ2ないしはQ3に景気が底入れするかどうかが最も重要になるだろう。


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