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米統計は強弱まちまち
  • MRA商品市場レポート

2024年1月8日 第2623号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米統計は強弱まちまち」

【昨日の市場動向総括】

週末の商品市場は乱高下したが、総じて堅調な推移となった商品が目立った。注目の米雇用統計は雇用者数が前月比+21.6万人(市場予想+17.5万人、前月+17.3万人)と市場予想、前月も上回り、失業率も低水準(3.7%)を維持した他、平均時給の伸びが前月比+0.4%(市場予想+0.3%、前月+0.4%)、前年比+4.1%(+4.1%、+4.0%)と市場予想を上回ったことで、インフレ鈍化には時間が掛かると見られたことが、ドル高を誘発した。

しかし、労働市場需給のタイト化が示されたことでエネルギー価格は堅調な推移となった。

その後発表されたISM非製造業指数は50.6(市場予想52.5、前月52.7)と悪化し、特に、雇用指数が43.3(51.0、50.73)と大幅な悪化となったことでドル安が進行した。

エネルギーセクターは「労働市場需給のタイト化とドル安」を材料にさらに買い戻しが入る形となったが、通常、ドル指数動向の影響を受けやすい非鉄金属は週末に関しては株安に連れる形で引けに掛けて水準を切下げる動きとなった。

高金利政策持続観測を背景に、金は基準価格が下落したものの、先々のイベントリスク発生ヘの懸念からリスク・プレミアムが上昇してこれを相殺している。

市場は既に米国の金融緩和をかなり激しく織り込み、10年債利回りが既に3%台まで低下していたため、今度はこの再調整が起きる可能性は高いと考えられる。

米国の景気が減速方向にある可能性は高いため、景気減速の中で利下げのタイミングを図る展開が予想され、需給ファンダメンタルズ面では価格に下押し圧力が、ファイナンシャルな面ではドル安が進行しやすく、価格を支えると予想されるため、当面現状水準を維持する商品が目立つのではないか。


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