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【今度は源氏物語のネタを読み返す】
  • 新村ブログ《油売りのひとりごと》

昨日はフランス料理屋でみた面白いカップルの会話のレビューでした。
キチンと調べると、3年前に再掲してますね...失礼しました。

昨日の女性はせっかくのデート(と思われる)会食の時間の
大半を般若心経のすばらしさに費やした。
しかし、そこまで知識がない(と思われる)せいか
それほどこの話は長く続かなかった。

彼女はひとしきり般若心経の素晴らしさを説明した後
「この男は般若心経では落とせない」と判断、
全く別の切り口で男性に切りつけてきた。

しかし今から思えば、会話から察するに
この女性はこの男性を一度は自宅に上げている。
そう考えると、口説き落そうとしているというロジックには
いささか無理があるような気がしてきた。

ちなみにですが、この女性は中谷美紀似です。

女 「ねえ、源氏物語って知ってる?」
男 「...え?源氏物語って、あの枕草子の?」
女 「あんた本当にバカね。枕草子は吉田兼好でしょう」
男 「ああ、そうか」
女 「そうよ。源氏物語は源平合戦の話を書いた話なの」

いや。何一つあっていない。この短い会話の中に間違い満載。

枕草子は清少納言。
吉田兼好は徒然草。
源氏物語は紫式部。

源氏物語は1000年ごろにかかれたプレイボーイの光源氏の話。
因みに光源氏は架空の人間。
彼がいろいろな女の人と恋に落ちる話を書いているので
源平合戦とは全く関係ありません。

因みに源平合戦の様を描いたのは「平家物語」。
作者は不詳で、徒然草には信濃前司行長が作者であると記されている。
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~」
の書き出しが有名なやつですな。

しかし、この会話も今から読み返すと非常に味わい深いですねぇ。
ある意味知性を感じます。
ただ、ふと思い出したのが学生の頃
定期テストの前、多くの場合前日に詰め込みをした場合ですが
それなりに覚えたつもりで試験に臨み
徹夜の結果解答欄をすべて埋めることに成功

「できた!!」

と、思ったところ、日中戦争が日露戦争になり
板垣退助や伊藤博文、原敬
暗殺されたことは知っていてもどれがどれだかわからなくなり
宣教師はすべてザビエルに見え、解答欄を見ると
たくさんザビエルが掛かれていることに
答案が帰ってきてから気付く、というのに似ている。
似ていませんかそうですか。

ここまで会話が外からみてかみ合っていないのも、改めてすごいと思う。
しかし、この二人の会話はすれ違いながら
でも不思議な調和を見せながら続きます。
この女性は本当にこの男を口説き落とせるのか!?
この女性の目的は何なのか。