日経CNBC「昼エクスプレス」に新村が出演しました。
- メディア出演
日経CNBC「昼エクスプレス」での解説終了しました。
昨日、出演の依頼を頂き、今朝起きたら原油価格は大幅下落。そもそも、Q220が景気の底、とみていたところ、コロナウイルス感染拡大防止のための輸送燃料需要減少が重なり、さらにサウジが数ヵ月増産を継続する意向を示したことで、需給ファンダメンタルズが弱い状態です。サウジのOSPから推測されるドバイの水準は25ドル程度。正直、ここまで下落すればとりあえず一巡と思っていましたが、3月末の決算に向けてドルを確保する動きが強まっていて、ドル建て資産が売り叩かれている流れには抗えず、さらに下値余地を探る動きになりました。こうなると、ファンダメンタルズ分析で価格を予想することはほぼ無意味で、キリの良い水準でもみ合うものと考えられます。恐らく、3月の決算を乗り越えると一巡、その後、4月の増産開始とQ120の企業業績下方修正、IMFの見通し下方修正でもう一度下落し、その後はコロナウイルスの影響緩和で徐々に水準を切り上げていく展開になると予想しています。消費が刺激されても良いぐらいに価格は下落していますので。コロナの問題が早期に終息すれば、各国の大量金融緩和の影響もあって株などのリスク資産が戻ることも考えられ、その中では原油にもリバランスの買戻しが入ることになるでしょう。ただ、景気は短期的にでも後退すると見られますので、上値も抑えられると考えます。その後、懸念される材料とすると、原油価格下落で産油国の民衆が不満を募らせ、大規模なデモに発生して「アラブの春」が再来するリスクです。しかし、原油はあと20ドル「しか」下落できません。今回の価格下落がエネルギーセクターの企業の財政状況悪化を助長し、銀行の融資姿勢が効果、信用リスクに波及し始めています。サウジアラビアの皇子は、思慮深く行動したとはとても思えません。ただ、原油価格が下落して低迷していることは、コロナ禍の中、消費者である我々にとっては慈雨となるはずなのですが...