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用語解説-その10「商品インデックス投資」②
  • ビジネスへのヒント
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)

【ビジネスへのヒント】第392号

先週に続き、商品インデックス投資に関して説明したいと思います。

「商品インデックス投資」②
商品インデックス投資が、「債券型であること」、「主要な商品に投資を行うこと」、「3つの構成要素がリターン(投資収益)を決定すること」、を説明しました。では、①どのような人たちが、②どのような目的で、③どのようなタイミングで、④どのようなインデックスに投資を行うのでしょうか?まず①の「どのような人たち」が商品インデックスを購入しているかについて解説します。2000年前半に始まった商品市場への投資を積極的に行っていたのは、年金資金です。年金資金は長期の投資を行うため、毎月ポジションをメンテナンスし、証拠金等の管理もしなければならない商品先物への投資を投資手法として選択してきませんでした。しかし債券の形になったことで、グっと投資し易い環境になった訳です。面倒なポジション管理や証拠金の取扱は組成するファンドや金融機関が担当します。年金資金の参入によって市場の厚みが増し、個人も資産形成の一手法として商品インデックス投資を行うようになりました。ですが、圧倒的に年金資金等の機関投資家の比率が高いものと考えられます。次に投資する目的ですが、多くの市場参加者が投資によるリターン(利益)を求めるために商品市場に投資を行っていますが、もう1つ忘れてはいけない重要な目的は、投資先を分散することで投資の分散効果を得ることです。例えばエネルギー価格が急上昇すれば、エネルギーを大量に使用する企業の業績を圧迫し、株価が下落する可能性があります。このような企業の株を保有している場合、その株価と反対の動きをする投資商品を購入すれば、このリスクを回避出来ることになります。そのために株を購入すると同時に商品インデックスに投資を行うのです。但し、株価が下落して損失が発生し、逆に商品価格が上昇していた場合には、その損失を補うために商品インデックスは売却され、最終的には商品価格も下落することになります。その影響もあって、以前よりも株価と商品価格の動きは似たような動きをするようになったと言われています(商品投資の分散効果の低下)。株や債券等の伝統的な運用資産と相関性が低い商品が次々と導入されたため、殆どの商品価格の動きが株価に類似するようになりました。しかし、供給途絶等の影響で価格が急騰、あるいは今回の新型コロナウイルスの影響で需要が急に減少した価格が急落する、といった個別要因が発生した場合はこの限りではありません。
(続く)