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用語解説-その5「PMI」
  • ビジネスへのヒント
  • MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(週末版)

【ビジネスへのヒント】第387号

「PMI」
PMIは民間調査会社のマーキット(Markit)社が集計している景気の動向の指標です。通常、製造業、サービスに分けて購買部の担当者を対象に統計が集計されています。一般にPMIは景気の先行指標として認識されており、通常、50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気縮小を示唆すると考えられています。また、GDPに対して2~3ヵ月程度先行する傾向があります。商品市場動向を分析する上で同指標は需要の先行指標として位置づけられています。PMIは日本や米国、ユーロ圏、ドイツ等、国・地域に分けてアンケートを集計したものですが、その地区の経済特性によって商品価格に対する影響の及ぼし方が異なります。例えば世界最大のベースメタル消費国である中国の製造業PMIはベースメタルの重要に対する説明力が高く、世界最大のエネルギー消費国である米国の製造業PMI(またはISM指数)はエネルギーの需要に対する説明力が高いと考えられています。尚、米国の場合、サービス業PMIの方がエネルギー価格に対する説明力が高いことが分かっています。これは製造業が消費するエネルギー量よりも、輸送等で用いられるエネルギーの方が量が多いことが要因であると考えられているためです。また、中国は世界最大のベースメタル消費国ではありますが、LMEベースメタル価格に対する説明力は中国の製造業PMIよりも欧州の製造業PMIの方が高い事が分かっています。これは1.LMEはそもそも中国を除く国のベースメタル価格の指標であり、中国国内の価格体系とは若干異なること、2.中国の主要貿易相手経済圏は欧州であり、欧州の需要(中国にとっての外需)が中国の生産者(ベースメタル消費者)の行動に影響を与え易いことが背景にあると言えます。このようにPMIの集計される国、PMIの種類によって商品価格に与える影響には差がありますので、商品毎にその連動性を分析しておく必要があります。