【(再)カービングスキーは危険なスキー板-その3】
- 新村ブログ《油売りのひとりごと》
見たことのない物体を目にした私は、激しく動揺して、
どうしたら良いか分からなくなった。
「そうだ。これは手術になるかも知れないので、家族に伝えなければ」
と思い、携帯で実家に(このとき私は独り者だった)。
私「母さん、俺だけど、局部を強打して、もう、使い物にならないよ」
母「えええええツ!!!なに!?あなた、いったい何があったの!?」
事実のみ伝える私、驚愕する母親。
意味なく激しく母親を動揺させてしまった。時間は朝の8時。
そりゃ、そうだ。
いきなり電話掛けてきて、朝っぱらからもう使い物にならない、
なんて話をしたら、普通の人間なら驚くわな。
よくよく考えたら、実家に電話したところで全く事態が進展するわけではない。
イタズラに家族を動揺させるだけである。
モノをみて、未だ体の一部であることが安心感を誘ったのか、
少しずつレイセイになってくる。
落ち着いてゲレンデを見回すと、
ゲレンデパトロールの赤十字のマークが見えた。
あそこなら何とかしてくれるかもしれない、なんてったって赤十字ですよ。
と思い建物に飛び込んだ。
このあたりからまた激痛が...
私「すみません!!転んで、強打しました」
パトロール「何!!どこを打ったんですか!?」
私「局部です!!」
パトロール「え?局部、ですか??そんな馬鹿な」
日本語になっていない。主語がないし。向こうも理解できるはずがない。
激痛に耐えつつ、今までの経緯を恥ずかしながら説明する。
パトロール 「あのねぇ、私も10年以上ここでゲレンデパトロールしているけどね。
転んでそんなとこ打った人はいないよ」
私 「でも、実際に打ったんです。本当に。ほら!!」
といって、ズボンをおろそうとする私。
止めるゲレンデパトロールの叔父さんたち。
パトロール 「でもなあ。普通さ、頭から転んだら、頭打つだろうし、
そうじゃなくてもまず手を突くだろうし」
うーん確かにそうだ。
パトロール 「じゃあ、何かい?君はスキーの先端が雪面に引っかかって
転んだ瞬間、激しくエビ反りながら、そこを突き出しながら転んだのか?」
そんな曲芸みたいなこと、できるはずないでしょう....
とにかくラチがあかないと思ったゲレンデパトロールの叔父さん。
近くの病院を紹介してくれた。
激痛に耐えながら、自分で車を運転して病院に。
大体、悪いことは重なるものでせっかく描いてもらった地図が
突風ではるか彼方に飛ばされてしまった。
「ああッ!!」
(でも、カーナビ買ったばっかりだったので、
ここではそんな面白いことはおきてません)
カーナビに病院の名前を入力、一路病院へ。
でも、これほど病院に行くのが怖い、と思った瞬間は後にも先にもない。
私は、本当におムコに行ける体なのだろうか...。
(続く)