ドル安と米統計減速で高安まちまち
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(メタル)
2019年2月27日 第1490号
◆昨日のベースメタル市場総括
「ドル安と米統計減速で高安まちまち」
英国のEU離脱期限延期観測でユーロ高・ドル安。
英メイ首相がEU離脱期限の延期を容認すると報じられたことでユーロが上昇したことが材料となりドル安が進行、ドル建て資産価格の上昇要因に。FRBパウエル議長の議会証言は新味無し。
米住宅関連統計は悪化。
米住宅着工件数は前月比▲11.2%の107.8万戸(前月+0.4%の121.4万戸)、許可件数は+0.3%の132.6万戸(+4.5%の132.2万戸)と伸びが減速、建材需要の減速観測が強まったことは工業金属価格の下落要因に。
LME指定倉庫在庫の減少傾向持続。
景気に明確な減速感がまだ出てこない一方、供給面の問題などからLME指定倉庫在庫の減少傾向が継続(ただし昨日は銅と鉛の在庫が増加)しており、非鉄金属価格の上昇要因に。
◆今日のベースメタル市場見通し
「ドル安で上昇も米統計減速や米中交渉を控えて頭重い」
英国のEU離脱期限延期の可能性。
頑なに期限延期を否定していた英メイ首相が「3月29日に合意なしでEUを離脱するのは、議会の明確な同意があった場合だけだ」と発言したことで期限の延期観測が強まり(問題先送り)、ユーロ高が進行しやすいことはドル安を通じてドル建て資産価格の下支え要因に。
米中古住宅販売仮契約件数は減速続く。
米住宅市場の先行指標である中古住宅販売仮契約件数は前月比+1.0%(前月▲2.2%)と回復見込みも前年比では▲4.6%(▲9.6%)と減速を維持する見込みであり非鉄金属価格の下落要因に。
米朝首脳会談を控えた手仕舞い売り。
今日の米朝首脳会議で大きな進捗はないとの見方が強いものの、核放棄がない中で制裁が解除される可能性もゼロではなく、一旦利益確定の動きが強まる可能性があることは原油価格の下落要因に。
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