米統計を受けた楽観で上昇
- MRA商品市場レポート
2026年2月9日 第3160号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米統計を受けた楽観で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は、これ前上昇して来たその他農産品が下落、穀物セクターも水準を切り下げたが、原油やLME工業金属、貴金属は上昇した。米雇用統計の発表が先送りとなったが、発表されたミシガン大学消費者マインド指数が市場予想を大きく上回る改善となった事で、リスク選好が回復、これまで売られてきた商品セクターにも幅広く買い戻しが入る形となった。
ミシガン大学消費者マインド指数は57.3(市場予想 55.0、前月 56.4)と改善、現在景況感も58.3(53.7、55.4)、先行景況感も56.6(55.1、57.0)と、いずれも悪化見通しだったのが改善している。
更に、期待インフレ率も3.5%(4.0%、4.0%)と低下、インフレ沈静化期待もやや高まっていることが確認された。同調査は先行指標としての位置づけにあるため、市場はこれをプラスに評価したようだ。
しかしそれ以上に「過剰流動性が市場に滞留する」中では、センチメントの好転に繋がる材料が出た場合、アップサイドの反応が大きくなる。もちろん悪い材料が出てセンチメントが弱気に傾けば、先月末から週中頃までみられたように急落することも有り得る市場環境にあるといえる。
商品市場の場合、最も重要なのはマクロ経済見通しを元に推定される需要と、生産者の生産計画に基づく供給から導き出される需給バランスであるが、更にこれを考慮して投機的な動きが価格を左右する。
投機の動きは言わずもがなだが、株や為替など周辺材料の影響を強く受けることになる。
この3年程度のデータを元に、銅に関して簡単な分析を行うと、中期的に最も説明力が高いのがフィラデルフィア半導体株指数であり、決定係数ベースでは75.2%となる。この他、上海総合、S&P500などが説明力の高い要素の上位に並ぶ。
実はこれらの株価動向の銅価格に対する説明力は2020年のコロナショック以降、特に高まっており、銅を始めとするLME工業金属価格動向を説明するに、株式市場動向の分析が欠かせないことを示唆している。このコラムで株や金融政策に触れざるを得ないのはそのためだ。
そして価格に対する説明力が高い要素に投機筋のポジション動向が含まれており、この売買動向も価格ヘの影響が大きい。
もちろん、上述の通り需給が重要なファクターであることは間違いが無い。まとめると、工業金属に関しては、投機が一方的に相場を形成している訳ではなくタイトな需給を反映した価格上昇を、投機が加熱させている、ということになる。
ただし、期間構造や現物プレミアムの水準をみるに、工業金属全体の需給がタイトとは言い難く、足元の価格上昇は投機が加速させており、このままだと消費が付いてこないで価格が急落することは有り得る。
特に貴金属セクターは、工業金属以上に投機的色彩が強まっている。銀市場などでは、ショート・ポジションを抱えるブリオン・バンク(JPモルガンやHSBCなど)を対象とした投機筋によるスクイーズ合戦が常態化している。
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