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【(再)飛行機に乗るとツイてない-最終回】
  • 新村ブログ《油売りのひとりごと》

結局何の収穫もないまま、ホテルに到着した。
ホテルではクリスマスシーズンということもあって、
ロビーで賛美歌を歌ったりしている。
みんな心なしか浮かれている。
そう、私を除いては。

周りのレストランもすべて閉まっているので、
ルームサービスをとることにした。
なんだかメニューがやたら高い。

タスマニア産、サーモンのグリルが単品で3,000円だ。
パスタは2,000円。

でも、やはり日本人なのか、
「こういうときに贅沢をするとバチが当たる」
と思うらしく、自然と目は安い値段のものばかりに行ってしまう。

パンのみ

とか

ぺリエのみ

とか。

悩んだが、一番安いフライドポテト700円(単品。税サ別)を頼んだ。

翌日、航空会社のオフィスに電話をしてみた。
そもそも自分の英語がおぼつかないので、
職員のしゃべるオージー英語は全く聞き取れない。

以前、「おれおれ詐欺」に遭いかかったときの
バカなチンピラのように先方は
やたらとゆっくりと話し始めた(この話はそのうち)。   

「あーなーたーはー、チャーンーギーくーうーこーうでー...(以下略)」

さっぱり理解できません。。。。
その後、転勤してきたばかりの私の同期に変わってもらったが、
やはり通じない。
結局「明日の夕方、空港にとりあえず来い」という話になって、
終わってしまった。当然、提案も上手く行かない。
何のために出張してきたのかわからない。
精神力のなさを痛感し、力なく空港に向かった。

たぶんダメだ、と思いつつ空港に着いた。
まっすぐ航空会社のオフィスに。

私「チケット、ありましたか?」
職員「いや、まだみつかっていません」
私「そうですか....。ってことは帰れないって事ですか」
職員「そういう事になりますね....申し訳ない。
でも話を聞くところに因れば、また明日こっちに来るらしいじゃないか」
私「ええ」
職員「いっそ、ミセスに荷物を全て持ってきてもらっては?」

って言われても....10日間の旅行ですよ。
スーツケース2つ持ってきてもらうわけにいかないでしょ。
ホテルはとれるの?

職員「満室ですねぇ...年末ですから」

じゃあそんな提案するなッ!!って、自分が悪いんですけどね。
と途方にくれていたら、1人の職員が駆け寄ってきた

職員「ありました!!」

ええッ!!どこにッ!!
親切なシンガポール人が、空港で拾って届けてくれたらしい。
名前も言わず、立ち去った、との事である。

嗚呼!!
きっと昨晩食べたのがフライドポテトだったから、
バチが当たらなかったんだ。良かった!
もしタスマニア産サーモンを頼んでいたら、
きっと帰国できなかったに違いない。

今回の教訓。

「バチは当たる」
(終わり)