ウォーシュ氏指名報道で総じて軟調 貴金属暴落
- MRA商品市場レポート
2026年2月2日 第3155号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ウォーシュ氏指名報道で総じて軟調 貴金属暴落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は発電燃料を除き、軒並み水準を切り下げる動きとなった。注目の次期FRB議長に元FRB理事のウォーシュ氏が指名されることになったため、ドル高が進行したことや株価の調整が影響したとみられる。
ウォーシュ氏はタカ派として知られ、これまでのインフレは量的緩和の影響によるものだとしている。そのため、「利下げは行うが、QTは粛々と進める」との見方が広がり、短期金利の低下と長期金利の上昇をもたらした。
これが金利感応度の高いグロース株の下落を誘発し、全体的な水準を押し下げる形となった。
また、昨日は右肩上がりに上昇してきた貴金属セクターも急落した。
「COMEXの体制維持のためにブリオン・バンクが当局と結託して売りを入れた」といった陰謀論も散見されるが、恐らくはオプション満期に伴うガンマスクイーズの解消取引が加速した影響が小さくないと考える(詳細は有料レポートの貴金属コラム、昨日の「本日の見通し」を参照)。
いずれにしても、昨年12月頃からの中国勢主導による上昇は余りに顕著であり、実需面で持続可能とは言い難い状況であったため、正直なところ「真っ当な反応」だったとも言える。
一方、小さいニュースだが昨日、シカゴのメトロポリタン・キャピタル銀行が破綻した。資産規模は2億6,000万ドルと小規模であり、金融システムを揺るがすような事態にはならないと想定される。
振り返れば、昨年12月からのリスク資産全般の上昇は、FRBが技術的な理由でTビル購入を通じて流動性を供給したことを、市場参加者の一部が「事実上の量的緩和」と見做した面が大きかったのではないか。
ウォーシュ氏は「インフレは政府の政策や紙幣の増刷によって発生するものであり、所得が決める訳ではない」と主張している。
そのため、短期金利を低く誘導しつつバランスシートの縮小を推進すると予想され、金利はツイストする形でスティープ化する可能性があるが、昨日はまさにその通りの動きとなった(なお、パウエル議長はTビル購入について量的緩和の意図はないとしている)。
ウォーシュ氏は利下げを主張しており、経済環境の著しい変化がなければ6月のFOMCで利下げが行われることになるだろう。FF金利先物が織り込む利下げ開始も7月頃であるため、同氏が議長になっても、直近の短期金利政策が大きく変化するわけではない。
ただ、政治的側面では、ウォーシュ氏の夫人がトランプ大統領の親友であるローダー氏の令嬢である点が注目される。身内を重用するトランプ氏の傾向から、パウエル議長に対するような苛烈な退任要求はされないのではないか(ただし、水面下ではかなりの圧力が掛けられると予想される)。
とはいえ、結局は選挙であり、株価がトランプ氏の最大関心事であることに変わりはない。インフレ再燃や株安によって支持率が下がれば、同様に苛烈な攻撃に晒される可能性はむしろ高いと考える(かわいさ余って憎さ百倍となり得る)。
昨日の市場反応は真っ当なものであったという印象だが、先行きの変動性が高い状態は当面変わらないだろう。しばらくは、12月以降に上昇したリスク資産が調整する展開が想定される。
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