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エネルギー上昇金属下落
  • MRA商品市場レポート

2026年1月9日 第3139号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「エネルギー上昇金属下落」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格は液体系エネルギーと石炭、その他農産品が上昇、金属セクターと穀物セクターは水準を切り下げる動きとなった。

昨日のドライバーは恐らく米雇用関連統計を材料にした米金利の上昇とそれに伴うドル高進行が影響したと考えられる。

昨日発表の米週間新規失業保険申請件数は208千件(市場予想212千件、前週200千件)と先週から増加しているが市場予想は下回った。4週移動平均ベースでは212千人(219千人)と2024年4月以来の低水準であり、米国の雇用環境が考えられているほど悪くないことを示唆している。

実際、週次のADP雇用統計なども改善傾向であり、Indeed社の雇用インデックスも回復基調にあるためそれほど雇用環境は悪くない。

一方、昨日アトランタ連銀のGDPナウが5.4%と急騰しているがこれは米貿易収支赤字が▲294億ドル(市場予想▲587億ドル、前月▲481億ドル)と激減したことによるもの。

しかし関税などの影響で輸入が大幅に減少したことが影響しており、この数字をそのまま鵜呑みには出来ない。

現在、米国の実質賃金は若干であるが上昇しており、消費者の不満はやや緩和している可能性はある。しかしバイデン政権時代から続くインフレは継続しておりトランプ政権ヘの不満は高まっている状況。

昨日のコラムでも指摘しているように、トランプ政権の政策はMAGA派と旧来から共和党に根強いネオコンの2つの政策がシンクロしないかたちで遂行されていると考えられる。恐らくベネズエラやコロンビア、グリーンランドなどヘの戦略の青写真はルビオ国務長官が描き、国内政策はMAGA派が主体で進められていると考えられる。

この数日、トランプ大統領は住宅関連の規制を強化する方針を打ち出し、金融機関の一戸建て住宅に関する規制について言及している。具体的に投資銀行がやってきた取引の概要は以下の通り。

・リーマンショック後の差し押さえ物件を投資銀行(GSやプライベート・エクイティなど)が大量に買い上げ
※GSが直接買うのではなく、住宅投資ファンド(GS Alternativeなど)を立ち上げ資金を集めてそのファンド内で物件を購入

・購入した物件は賃貸に回し家賃収入を確保(コロナ危機以降、在宅勤務や働き方の変化で住宅を求める個人が増加して投資銀行側も旨みがある)

・再び賃貸住宅からの家賃フローを裏付けに流動化商品を販売

安く買った物を運用に回す...という意味では批判されるようなスキームではない。善悪や好き嫌いは別にして、日本の不動産バブルが弾けた時も、外資系ファンドが不良不動産を買い取った(その後高く売っているが)ことで危機から脱出出来たことは動かしがたい事実である。

しかし同時にトランプ大統領の言うところの「アメリカンドリーム(持ち家を持つ)」という夢が叶えられなくなっているのもまた事実である。ただ結局の所は選挙狙いの場当たり的な政策であり、これに伴うリスクは考えておく必要がある。


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