米市場休場で方向感出難く
- MRA商品市場レポート
2025年11月28日 第3112号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米市場休場で方向感出難く」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は米国の主要市場がサンクスギビングで休場の中、様子見気分が強く高安まちまちとなった。ただし、米国の利下げ観測が強まっているため株式市場は堅調であり、投機の影響を受け難いTTFなどは大きく下落したが、そのたの商品はそこまで大きな調整になった商品は無かった。
目先、宇露情勢・日中関係が地政学的リスクの中心にある。宇露情勢に関してはウィトコフ特使が「ロシアに助言」していたことが物議を醸している。
報道が正しければ「どのような発言をすればトランプ大統領が喜ぶか」をプーチンに指南していたようだ。これに対しては共和党内でも批判の声が高まっている様子。
仮にそうだとしても問題はゼレンスキー大統領がこの提案を受け入れるかどうか。当初は28項目の和平案(かなりロシア寄りの和平案とされる)の合意項目が19項目に削減されているため、「合意するのでは」との見方がやや優勢のようだ。
結局、長引く戦争で宇露両国ともかなり厭戦気分が広がっており、財政的にも厳しく、一旦撃ち方止めにしたいということだろう。ただし、実際に合意するかどうかは米宇首脳会談の結果次第の部分は否めない。また、停戦合意したとしてもどのような条件での停戦かが分からないため、詳細待ちである。
停戦となれば景気に対する楽観が広がるため、株などは上昇し、原油は下落、金属は復興期待で上昇、安全資産需要減少で金は下落、といった反射的な反応が見られる可能性は高いと考えられる。
一方、出口が見えないのが日中関係であり、それに対する米国のスタンスもなんとも微妙である(詳しくは有料レポートのMRA's Eyeをご参照下さい)。
しかし、これらを通じていえることは、プーチンも習近平も「トランプが在任している時は攻撃しない」というスタンスである可能性が高い点。憲法を改正をしなければ、トランプ大統領は2029年には引退することが確定しており「この期間までは中露が軍事行動を起こすことはないが、それ以降の保証はない」ということだ。
日本は地政学的に中露両国の影響を受ける。そのため将来の有事に備えて防衛力を強化し、サプライチェーンを再構築することは、これまでの中露首脳の対応をみるにもう待ったなしだろう。
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