米中合意で上昇
- MRA商品市場レポート
2025年11月4日 第3094号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米中合意で上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格はその他農産品や非鉄金属の一角が下落したが、その他の商品は軒並み水準を切り上げる動きとなった。
今年の4月に米国が宣言した解放の日以降、世界中を巻き込んで大混乱だったが交渉の最後(本丸)である中国と形だけでも合意に至ったこと、来年にはトランプ大統領が中国を訪問することで合意したことなどから市場に安心感が広がったことが材料となった。
この中で特に需給バランスがタイト化する材料が多い非鉄金属は投機買いも巻き込んで堅調に推移している。
しかし、昨日発表された米ISM製造業指数は市場予想比・前月比で悪化、48.7(市場予想 49.5、前月 49.1)、と前月・市場予想を下回った。改善項目は新規受注で49.4(前月48.9)となったが、後は仕入れ価格(58.0)、入荷遅延(54.2)だけである。
入荷遅延が前月から大きな数字になっているのは生産調整が進む中(51.0→48.2)、想定よりも需要が底堅いことを示唆している。
また、アトランタ連銀が公表した11月3日時点のGDPナウは4.0%と先週の3.9%から伸びが加速している。やはり最終消費者への価格転嫁を抑制することで消費は堅調であるようだ。
こうした統計が出てくると、FOMCメンバーは利下げについて保守的になる可能性がある。実際、この4年半、米国の消費者物価は目標を上回り続けている。仮にここでインフレになると、あとで再び急速な金融引き締めが必要になってくる。
2018年、中間選挙を意識してトランプ大統領は減税を行い景気が過熱。それを受けてFRBは金融引き締めを行ったが結局2019年に利下げに転じている。その後、コロナショックがあったため過度に政策金利が引き下げられたが、この時とのデジャブ感は気のせいではない。
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