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ドル安・株高で上昇 米副大統領発言の影響も
  • MRA商品市場レポート

2025年9月30日 第3069号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル安・株高で上昇 米副大統領発言の影響も」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は貴金属やその他農産品、非鉄金属が上昇したがエネルギーは広く売られる流れとなった。基本的にドル安と株高が続く中でドル建て商品価格には上昇圧力が掛かりやすい地合であるが、固有の材料が原油を押し下げ、貴金属セクターを押し上げる形となった。

昨日は特段目立った経済統計の発表が無かったが、昨日はバンス副大統領の発言の影響が小さくなかったと考えられる。特に貴金属セクターへの影響は小さくなかった。

バンスは「米国の政府機関が閉鎖に向かっている」「米国はウクライナにトマホークの供与を検討しているがトランプ大統領次第」と発言している。前者は経済統計の発表が遅れる、場合によっては発表されない可能性があることを示唆しており、後者はロシアとウクライナ・欧州の戦争が激化する可能性があることを示唆している。

政府機関の閉鎖は過去にも実施されているため、市場は馴れっこであり今更これが材料になるとは思われていなかったが、政府機関が閉鎖された場合通常であれば職員は自宅待機となり、再開されれば復職、というのがこれまでの流れであった。

共和党は民主党がつなぎ予算を認めなければ、復職ではなくそのまま解雇せよとの方針を示しており仮にそうなると、ただでさえ精度が低い統計の制度が更に悪くなる可能性が高まる。

市場は、「不明瞭であること」を回避するため、仮にそのような方針が決定されれば、株式市場などにマイナスの影響が及ぶ。この時、特にコロナ以降は「株式市場動向を主語として」その他の市場が動きやすくなっている為、原油や金などの価格も下落の可能性が出てくる(あくまで株価の反応次第だが)。

しかし、政府閉鎖で迷惑を被るのは民主党ではなく米国民であり、世界の投資家である。過去もすったもんだがあった挙げ句に妥結しているため、今回も同じになるのだろうが、全く存在感を示せていない民主党が「数少ないアピールの材料として」使っていることもまた否めないため、この国でも結局「政治家のアピール合戦」が国民にマイナスに作用することになる。

なお、民主党側が反対しているのが、低所得者向けの「メディケイドの削減」を共和党が打ち出している点。結局トランプ政権はかねてからの予想通り、低所得者に対して優しい政策を遂行していない。

なお、トマホークの供与はトランプ大統領のこれまでのプーチンへの対応をみるに、行われ無いのではないか。そしてプーチンもそのように考えているのではないか。供与されようがされまいが、ウクライナの状況が悪化する可能性は高まっている状況。


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