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株上昇を受けて堅調
  • MRA商品市場レポート

2025年6月30日 第3006号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「株上昇を受けて堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はガスやその他農産品、貴金属セクターが下落したが、その他の商品は上昇した。米トランプ大統領がFRB議長に辞任を迫り、次のFRB議長には利下げに前向きな人を選ぶと発言したことや、次期議長候補の1人であるFRBウォーラー理事は7月利下げに言及しており、足元の米統計もやや減速が確認されているため、以前よりも利下げの可能性は高い。

FEDウォッチベースだと、7月会合での利下げ確率は74.8%まで高まっており既に市場はこれを織り込んでいる。金利低下はかなり顕著にハイテク関連株を押し上げ、結果的にS&P500の水準を押し上げる。

米大統領がFRBの議長に辞任を迫るという、中央銀行の中立性を無視するような発言がみられているが、ウォーラー理事などはこれとは別に7月の利下げの可能性を示唆し始めている。

基本的に今年は利下げを行う年なのだが、トランプ大統領の発言や政策が非常に不規則であるため決め切れていないというのが現状だろう。とんだとばっちりだ。ただし、今年はこの利下げ動向が株価を動かし、商品価格にも影響が及ぶ為小さい話ではなく、商品価格の押し上げ要因となるだろう。

目先のもう1つの重要な材料は7月9日の関税交渉の期限に、どの国に対して関税が課されるかだが、ベッセント財務長官は、重要な交渉相手国は18ヵ国あり、うち英国と中国は合意済み。

日本も含まれるようだが、10~12ヵ国との合意を9月1日までに完了できるとしており、恐らく期限は延期されることになるだろう。しかし、カナダとの交渉は頓挫しており、先行きは不透明だ。

結局トランプの発言が事実でないことは多いため、ベッセント財務長官やその他の重要閣僚の発言をフォローする必要があるだろう。

株価の上昇はリスクテイクの改善をもたらすが、特に「米国クレジットとなる資産からの分散」需要が残存する中では、実物資産であり価値がゼロにならない商品セクターは物色対象となりやすい。


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