総じて堅調
- MRA商品市場レポート
2025年6月10日 第2992号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「総じて堅調」
【昨日の市場動向総括】
金曜日の商品市場はエネルギーや貴金属、エネルギー、非鉄金属など景気循環商品と金属セクターが上昇、穀物などの非景気循環系商品価格は下落し、鉄鋼原料などの投機対象になり難い金属は下落する流れとなった。
足元の材料は米中協議が進捗しているとの期待であり、株価の上昇に連れる形で水準を切り上げる流れになっている。
この数週間の商品市場を俯瞰するとそれほど積極的に物色されるような市場環境になっていないのは事実である。以下に中国と米国の交渉が進捗したとしても、関税が導入されることはほぼ明白であり、モノのフローに大きなマイナスの影響が出ることは明らかだからだ。
恐らく先々の景気動向を占う上ではFRBの利下げ動向の影響が最も大きいと考えられる。そもそも、今年の1-3月に景気が底入れしたのち、緩やかな利下げによって景気が支えられ年後半に掛けて価格水準が切り上がる、というのが商品市場動向のメインシナリオだった。
しかし、トランプ関税の影響がコストプッシュのインフレに繋がり、その状況で金融緩和が実施されればまたインフレ懸念が強まる可能性は高い。コロナショックの物流不全のときの金融緩和が、価格を押し上げたのと同じ構図だ。
あのときは感染防止のために物流が制限されたが、今回は関税動向が物流を阻害する可能性があるということだ。結果、一物二価、一物三価といった状態になってもおかしくない(現物の裁定取引が十分に機能しない怖れ)。
そしてもう1つ重要なのが、「脱米国債」の動きが強まる可能性がある点だ。
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