米中合意でリスク選好回復 軒並み上昇
- MRA商品市場レポート
2025年5月13日 第2972号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米中合意でリスク選好回復 軒並み上昇」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は軒並み水準を切り上げる商品が目立った。週末の米中関税交渉の結果に注目が集まっていたが、想定以上の相互関税率の引き下げで合意に至ったことで、世界1位・2位の経済大国の景気悪化懸念が後退、リスクテイク再開で株価が上昇したことが、広くリスク資産価格を押し上げる形となった。
ただし、米国は30%(ウチ、違法薬物対策による関税は20%)、中国は10%の相互関税は残るためモノのフロー停滞が景気を下押しする状況に変わりは無いこと、90日間の時限措置であることを考えるとやはり景気は想定していたよりも下振れることに変わりは無い。
こうなってくると日本に対する24%関税などは何の意味があるのか、という話にもなる。仮に中国が違法薬物対策を行った場合、20%の関税が引き下げられ、相互に10%の関税になる可能性はあるからだ。同盟国だろうが何だろうが、結局関係ないということである。
日本は米国に対して造船技術を供与、それの代わりに関税を下げると言う交渉をしているようだが、米大統領は「それは素晴らしいことだ。日本は素晴らしい国だ」ぐらいのことは言うだろうが、「で、何を買ってくれるんだ?」という話になる可能性は高いと見ている。
自動車部品関税も移行措置が決定しているが、これも2年の暫定対応であり部品メーカーは2年以内に米国に製造拠点を移すか、関税を甘受して高い値段で納入するかの選択を迫られるが、体力的にも後者の可能性が高い。
しかし、そうは言っても同盟国であり一定の配慮がありつつ何らかの合意にいたって関税率が引き下げられる形にはなるだろう。
本日の見通し、昨日のセクター別動向と本日の見通し、マクロ見通しのリスクシナリオ、本日のMRA's Eye、主要ニュース/エネルギー・メタル関連ニュース/主要商品騰落率/主要指数/市場の詳細データPDFは、有料版「MRA商品市場レポート」にてご確認いただけます。
【MRA商品市場レポート】について