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景気循環系商品売られ 非景気循環系商品買われる
  • MRA商品市場レポート

2025年4月2日 第2943号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「景気循環系商品売られ 非景気循環系商品買われる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は景気循環系商品が広く売られる中、その他農産品や穀物、畜産セクターなど、基本的に景気に連動し難いセクターがやや軟調なドルを背景に物色されたが、その他は軟調な推移となった。

昨晩発表された米ISM製造業指数は49.0(市場予想49.5、前月50.3)と昨年12月の水準に低下、需要の指標である新規受注は45.2(市場予想48.2、前月48.6)と、実に2023年5月以来の水準に落ち込んだ。

一方、支払価格指数は69.4(市場予想64.6、前月62.4)と大幅に上昇、ロシアのウクライナ軍事侵攻によるモノのフローの目詰まりでインフレとなり、FRBが金融引き締めに舵を切った2022年6月の78.5に次ぐ水準となった。

トランプ関税による調達コストの上昇、価格上昇による需要減少、相互関税による景気減速がアンケート調査に如実に反映された形。「米国を再び偉大に」としているが製造業を米国に回帰させるための政策が、明らかに米国企業の重石になっている。

ただ、この数十年の関税政策や、米国にとってみれば誤った対中政策によって中国に流れてしまった重要な製造業を、トランプ大統領在任期間中に米国に回帰させるという政策であるため、無理が生じてもおかしくない。

ここで言われているのが、世界最大の消費国である米国には多くの船舶が行き来しているが、コスト上昇もあってその船舶を米国が作れなくなっている点。安価なところで製造すればよいはずであるが、中国が急速にシェアを伸ばしている状況だ。

この時、中国製の船舶を利用することにどの程度の安全保障上のリスクがあるかは不透明ではあるが、2023年の竣工量ベースでは、中国が50.7%、韓国が28.3%、日本が15.0%、欧州が5.9%となっており、米国は圏外だ。

もちろん、軍艦を作れないという訳ではないが技術力の低下も指摘されており、調べて見るとこうした細かい米国の脆弱性は散見される。それであるが故に、同盟国である日本などとは経済的にも、軍事的も連携を深めるべきなのだが。

その思いとは裏腹に、日本にも関税が例外なく課される見込みだ。


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